夢を覚えていられないタイプで、だいたい起きたら忘れます。「何か変な夢を見た」ということだけ覚えているという。
あらすじ
叔父から虐待を受けている少年、有栖(アリス)。彼は夢の中で不思議な少女ルルディに出会います。なんでも夢の中で実現できる「完全明晰夢」の能力を得るために、ルルディの試練に挑戦するアリス。彼は現実から逃げ出すことはできるのでしょうか。
少年、 夢の世界を歩く
「夢」というテーマから多少のでたらめはOK。そのでたらめ加減が面白かったです。でももっとはっちゃけてもよかったかもしれません。
現実逃避の世界から普通の世界に戻ってくる、という話はべたべたではありますけれど、異世界転生小説みたいな「戻ってこない」話を読んだ後だと新鮮に思えてくるから不思議です。
展開的には王道ですが、過程がきちんと描かれているので面白かったです。
あとがきによると続刊の構想もあったみたいですが、一巻しか出ていないところを見るとぽしゃってしまったんでしょうね……。一巻だけでもキリよく終わっているから楽しめますけれど。
ルルディ可愛い
個人的にうれしかったのがルルディがベリーショートなところ。ベリーショート大好きなのに、ライトノベルではあまり見かけない属性です。
聞くところによると、男性読者には黒髪ロングのような女性らしい外見がうけるらしいです。そしてカップ焼きそば現象みたいなことが起こる……。
ショートカットは頭の形の良さが強調されるし、表情も明るく見えるのでいいものですよ!
一番ぐっときたのは妖精姿の挿絵のシーン。すごくかわいいです。このままファンタジーへの旅に出てみたいですね!
イラスト、カラーもモノクロもきれいで、作品の雰囲気に合致していてよかったです。
まとめ
一応シリーズ前提で書かれている話だと思うんですが、一巻だけでも面白かったです。ダークな世界観とべたべたな展開をきっちり書きこなしていました。
主人公が前向きになれてよかったです。
この作品が好きな人におすすめの本
夢とはちょっと違いますが、なんでもかなえてくれる世界からの帰還と言うと『はてしない物語』がおすすめです。
冴えない少年バスチアンが本の中の世界に入り冒険していきますが、旅を続けるうちに事態は悪化していき……。という話。
異世界トリップの古典といってもいい作品です。

- 作者: ミヒャエル・エンデ,Michael Ende,上田真而子,佐藤真理子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/06/16
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