ブックワームのひとりごと

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資料としては面白いけどメディアがやばい 仲島ちひろ『かんたんなのに、ほとんどの人がやっていない お店にファンをつくるウェブ発信の新ルール』感想

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かんたんなのに、ほとんどの人がやっていないお店にファンをつくるウェブ発信の新ルール (ノンフィクション単行本)

最近職場のSNSの更新を任されているので、参考になるかと思って読んでいました。

 

書籍概要

情報発信ツールとして定着しつつあるSNS。そこでいかに「いいね」やシェアを稼ぎ、集客に役立てるかを解説していく。

 

引用に対する意識が問題まみれ

この本の根本的な問題は「キュレーション(まとめ記事)」を勧めてくることだと思います。

いや、キュレーションが全部だめというわけではなくて、「引用して記事を作ってしまおう」とはっきり言ってしまうところがやばいです。

キュレーションを勧めておいて著作権についてろくに話していないところが問題だし「引用元を書いて出典を明らかにしましょう」とか書いてある。いや引用元書いてもそれだけでは引用の条件満たさないからね……。

これで自慢げに他社とのコラボについて紹介したりクリエイター女子のためのメディア名乗ったりしているところに戦慄しました。

実際にサイトに行ってみるとそんなにキュレーションっぽい記事はありませんでしたが、少なくとも過去はやってたってことですよね。

「面白い情報を紹介する」なら転載せずにリンクでいいよね。本当。

 

倫理を置いておくと後半は面白い

読んでいるだけで「箱庭」というメディアへの信頼ががた落ちしましたが、後半部分の「いかにシェアされるコンテンツを作るか」という話は面白かったです。

シェアされやすい画像加工やトリミングのしかたを紹介してくれるのはためになりました。

文字入れやロゴを入れてテーマを印象付けたり、見出しを付けてわかりやすくしたり、さまざまな工夫をしてシェアを稼いでいることはすごいなあと思います。

ただキュレーションについての部分が本当に問題だらけなので、そこは絶対に真に受けてはダメだと思います。良い子は真似しない。

 

まとめ

本としては面白いけど、「箱庭」というメディアへの信頼度はがた落ちするという不思議な読書体験をしました。

これからこの本を読む人は話半分に読みましょう。