ブックワームのひとりごと

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『浮き草デイズ』たかぎなおこ 文藝春秋 感想 東京に来たイラストレーター志望の焦りと葛藤

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浮き草デイズ(1) (文春e-book)

 

あらすじ・概要

著者、たかぎなおこはイラストレーターを目指して東京に出てきた。しかし、毎日生活のためのアルバイトに追われ、絵を描く暇がない。同じくイラストレーターを目指して頑張っている人へ劣等感を抱き、見通しの立たない生活に不安を覚える。夢追い美とのコミックエッセイ。

 

著者の葛藤が見えてくる

勢いで上京し、イラストレーターを目指していたころの自分を描いたエッセイです。面白かったです。

もうベテランの域に達している漫画家にもこういう時期があったのだと思うと感慨深くなります。

イラストレーターになって特別な人間になりたい、と望む一方でバイトに明け暮れ、絵を描く暇もありません。

ちょっとしたことで感じやすくなったり、上手く行っている人に対して劣等感を覚えたり。

このままでいいのか? という著者の葛藤が伝わってくるようでした。

著者はたまたま仕事を見つけられたからいいけれど、東京にはこの手の人間がたくさんいるんだろうな……と思いました。

 

 

作品の後半著者がホームページを作り始めるのがインターネット黎明期経験者としては懐かしかったです。

昔はホームページ大変だったんですよね。

ホームページに載せるコンテンツに悩んで絵日記を始めたら、それを見た編集者からイラストエッセイの依頼が来ます。

人生何が起こるかわからないですね。

 

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