ブックワームのひとりごと

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【2018年増補】一気読みしちゃうような、おすすめファンタジー小説12選

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素材:写真AC(AK)https://www.ac-illust.com/main/profile.php?id=wGiP2SiW



 

去年の二月おすすめファンタジー記事を書きました。

honkuimusi.hatenablog.com

それからもおすすめファンタジーが増えたので、増補版として、この記事を書くことにしました。

 

 

 

 

『 吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる』野村美月 ファミ通文庫

ひょんなことから吸血鬼になった主人公が、演劇をすることに。

キャラクターがみんな魅力的でかわいいです。そして葛藤や和解が丁寧に描かれているところが好きです。

吸血鬼ものの定番の、寿命の差の苦しみは、べたべただけどやっぱりいいですね。

打ち切りなのが残念ですが、単行本で補完編が出てます。

honkuimusi.hatenablog.com

 

   

 『霧の日にはラノンが視える』縞田理理 ウィングス文庫

流刑にされた妖精たちが織り成す、イギリスを舞台にした現代ファンタジー。

登場人物がみんないい人なんですが、説教臭くなくするっと物語に入っていけます。

「妖精人が助け合いながらロンドンで暮らす」というアイデアを、丁寧に描写しているのも面白いです。

読んでいて前向きになれるファンタジーです。

霧の日にはラノンが視える (1) (ウィングス文庫)

霧の日にはラノンが視える (1) (ウィングス文庫)

 

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『天盆』王城夕紀 中公文庫

「天盆」という将棋に似たボードゲームで立身出世がかなう国。きょうだいの末っ子凡天は、類まれなる天盆の才能を持っていた。

ひたすらボードゲームをする話なのに、それぞれの対戦がわくわくしてとても楽しいです。

そして随所で語られる、凡天の家族の物語も優しくて好きです。

天盆 (中公文庫)

天盆 (中公文庫)

 

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『黄金の王 白銀の王』沢村凛 角川文庫

ふたつの氏族がいがみあい、王座を奪い合ってきた翠の国。ふたりの惣領は、翠の国に平和をもたらすために手を取る。

内容的にはハードでシリアスでしたが、語り口が淡々としているので読みやすかったです。

そして個人的には、終わり方がとても好きな作品です。最初は「ええっ?」となりましたが、彼らしい幕引きだったと思います。

黄金の王 白銀の王 (角川文庫)

黄金の王 白銀の王 (角川文庫)

 

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 『有頂天家族森見登美彦 幻冬舎文庫

京都で暮らす狸の兄弟の、天狗を交えての大騒ぎを描いたコメディファンタジー。

毎日がお祭りのような楽しいファンタジーです。その中で、闇が深い部分もあって、その塩梅がまた面白いです。

登場人物全員、キャラが濃いのですぐに覚えられます。個人的に一番好きなのは、自分は天狗ではないと主張する、天狗の弟子の弁天。

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

有頂天家族 (幻冬舎文庫)

 

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 『僕が七不思議になったわけ』小川晴央 メディアワークス文庫

生きながら七不思議になってしまった少年が、少女と出会い仲良くなる話。

なるべくネタバレなしで読んでほしいんですが、この発言がすでにネタバレなんですよね。

ヒロインがかわいいし、成長する主人公を応援したくなります。青春ものとしても面白いです。

不思議な「七不思議」の世界も読んでいて楽しいです。

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 『血と霧』多崎礼 ハヤカワ文庫JA

血液を中心とした階級社会で、娘を探す父と、孤独な王子が出会う話。

自己評価の低いおじさんと、世間知らずだけれど根はやさしい少年の疑似親子関係が楽しめる作品です。

そして何気ない日常が美しいゆえに、後半のストーリーはかなりつらいです。

世界観もかっこよく個性的で、造語を見ているだけでわくわくします。

血と霧1 常闇の王子 (ハヤカワ文庫JA)

血と霧1 常闇の王子 (ハヤカワ文庫JA)

 

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 『アナンシの血脈』ニール・ゲイマン 角川文庫

 クモ神の息子の主人公が、生き別れの兄弟と出会うことによってドタバタな展開に巻き込まれるファンタジー。

コメディのような超展開の連続ですが、その一方描写は非常に幻想的で美しいです。

アフリカのクモの神様「アナンシ」がモチーフになっているところも、個性的で好きです。

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『ななめカンナヅマ』木村航 ファミ通文庫

神を送り届ける巫女「神無妻」の七芽は、子どもだけで暮らす島にやってくる。そこでは大人になりたい少年がいて……。

 暗喩につぐ暗喩で、ちょっと頭を使いますが、ベースは少年の成長物語なのでとても王道です。

一冊だけでも独特の世界観があって、読んでいて楽しい作品でした。

ななめカンナヅマ (ファミ通文庫)

ななめカンナヅマ (ファミ通文庫)

 

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 『フィーヴァードリーム』ジョージ・R・R・マーティン 創元ノヴェルス

「フィーヴァードリーム」という船を舞台に、吸血鬼と人間の男の友情を描いた物語。

アメリカの奴隷制時代と吸血鬼という、ぴったりな組み合わせをきっちり描きこなしていて面白かったです。

最強の吸血鬼と戦おうとする、主人公ふたりの悲壮な決意は、苦しくも気高いものでした。

フィーヴァードリーム〈上〉 (創元ノヴェルズ)

フィーヴァードリーム〈上〉 (創元ノヴェルズ)

 
フィーヴァードリーム〈下〉 (創元ノヴェルズ)

フィーヴァードリーム〈下〉 (創元ノヴェルズ)

 

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『カステラ』パク・ミンギュ クレイン

ちょっとおかしな話を集めた短編集。

ファンタジーというより「幻想文学」と言ったほうがふさわしいかもしれません。

突拍子もないシュールな描写に笑いつつ、現代の韓国における生きづらさを提示していきます。

日本人にも親近感を持てる社会問題も多いです。

カステラ

カステラ

 

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 『あやかし双子のお医者さん』椎名蓮月 富士見L文庫

あやかしを癒す力のある莉莉が、同じあやかしの医者の晴に弟子入りし、事件を解決していく。

基本的に人情ものではありますが、人間関係に対してどこかドライなところがあって、そこが逆に読みやすいです。

優しいけれど甘やかさない、その塩梅が好きなシリーズです。

あやかし双子のお医者さん 一 ばけねこと鈴の記憶 (富士見L文庫)

あやかし双子のお医者さん 一 ばけねこと鈴の記憶 (富士見L文庫)

 

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 まとめ

 というわけで、2018年版おすすめファンタジー記事、いかがでしたでしょうか。

続きはまた、面白いファンタジーを読んだら書きたいです。