ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

文学

いびつな主従関係の果てに見た境地 谷崎潤一郎『春琴抄』感想

あらすじは知っていましたが、改めて原文を読んでみるとイメージと違いました。 やっぱり実際に読んでみないとわからないですね。 あらすじ 幼くして盲目になり、高慢に育った春琴。彼女は音曲の道に進み、丁稚の佐助を弟子にします。佐助といびつな主従関係…

意識することで日本語は輝きだす 大野晋『日本語練習帳』感想

文章がうまくなりたいのでいろいろ調べるシリーズ。今回は文章についての記事で紹介されていた一冊。 書籍概要 「は」と「が」はどう違うのか。正しい要約の書き方とは? 日本語学者の著者が、文法や単語の使い方を通して「読み書き」を教えます。文章を分解…

類義語どう使い分ける? 中村明『日本語のニュアンス練習帳』感想

ふと「私は文章が下手だな!」と思ったので、本を読んで文章の書き方について調べてみることにしました。まずは一冊目。 書籍概要 「女性」と「女」「故国」と「祖国」。普段何気なく使っている日本語ははたしてどう違うのでしょうか。日本語の微妙なニュア…

審神者が書く『図説 百鬼夜行絵巻をよむ』感想

『図説 百鬼夜行絵巻をよむ』を読んでました。 そもそもはWikipediaの付喪神の項目に参考文献として載っていて、そこから図書館で取り寄せたものです。 これがなかなか興味深い内容で、審神者(刀剣乱舞のプレイヤー)から見た感想を書きます。 図説 百鬼夜…

細かい作業にくらくらする 『自分で作る小さな本』感想

『自分で作る小さな本』を読みました。 豆本作ってみたいなと思って借りてきた本です。 自分で作る小さな本 作者: 田中淑恵 出版社/メーカー: 文化出版局 発売日: 2002/04 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 7回 この商品を含むブログ (6件) を見る 書籍…

彼はなぜ金閣寺を燃やしたのか 三島由紀夫『金閣寺』感想

『金閣寺』を読みました。 思えば三島由紀夫は読んだことがなかったなあと思って有名な作品をチョイス。新潮文庫の100冊 2016に入っていたのもあります。 金閣寺 (新潮文庫) 作者: 三島由紀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2003/05 メディア: 文庫 購入:…

ガンジス河に集まった日本人たちの救済 遠藤周作『深い河』感想

『深い河(ディープ・リバー)』を読みました。 結構読むのに手こずってしまいました。 深い河 (講談社文庫) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1996/06/13 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 65回 この商品を含むブログ (141件) を見る あ…

棄てられた女の一生 遠藤周作『わたしが・棄てた・女』感想

『わたしが・棄てた・女』を読みました。 遠藤周作は最近の文学者では好きな人です。 わたしが棄てた女 (講談社文庫) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1972/12/15 メディア: 文庫 購入: 7人 クリック: 70回 この商品を含むブログ (66件) を…

多重人格ホラーの元祖 スティーヴンソン『ジーキル博士とハイド氏』感想

『ジーキル博士とハイド氏』を読みました。 有名どころだけど実は読んだことなかった。 ジーキル博士とハイド氏 (新潮文庫) 作者: スティーヴンソン,Robert Louis Stevenson,田中西二郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1967/03/02 メディア: 文庫 購入: 4…

文豪たちが出会った幽霊たち『文藝怪談傑作選 特別篇 文藝怪談実話』感想

『文藝怪談実話』を読みました。ホラーが好きなので衝動買いした一冊。 文藝怪談実話―文豪怪談傑作選・特別篇 (ちくま文庫) 作者: 東雅夫 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 2008/07/09 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 2回 この商品を含むブログ (11件…