ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

情報系同人誌を書く人にすすめたい「一般市民が調べる」方法―宮内泰介・上田昌文『実践 自分で調べる技術』

あらすじ・概要 「調べること」は学者や専門機関、記者の専売特許ではなく、一般市民も社会のことを調べることができる。図書館やインターネットの使い方、聞き取り調査やインタビューのこつ、調べたことをどう発表するかなど、市民の視点から調査を語ったハ…

違いを面白がれるタフさに救われる―星野ルネ『アフリカ少年が日本で育った結果』

あらすじ・概要 日本人男性とカメルーン人女性が結婚し、母親の連れ子として日本にやってきた星野ルネ。幼い頃から日本で暮らしているため、母国語は日本語。周囲の日本人とは全く違う外見のため、何かと誤解を受けることが多く……。世の中の先入観や文化の違…

男性漫画家が家庭生活を描くコミックエッセイおすすめ7選

コミックエッセイを描くのは女性漫画家が多いだけに、その分野のマイノリティである男性漫画家のことは意識して注目して読んでいます。 今回はその中から「家庭を持つ男性」の描いたコミックエッセイをまとめました。 突然父親になった中年男性の戸惑いと適…

少年はなぜ不格好なぬいぐるみをカモメだと言ったのか―宮部みゆき『小暮写眞館Ⅲ カモメの名前』

あらすじ・概要 フリースクールの子どもたちを写した写真にあった不格好な謎のぬいぐるみ。フリースクールの生徒のひとりは「それはカモメだ」と言い出した。英一は、その謎を解くために調べることになるのだが……。同時期に英一の家で泥棒騒動が起こり、英一…

育ちのいい老女と売れないお笑い芸人の、年の差と性別を超えた友情―矢部太郎『大家さんと僕』

あらすじ・概要 一軒家の2階を間借りすることになった著者。1階には、大家として年老いた女性が暮らしていた。何かと「大家さん」に話しかけられ、世話を焼かれるにつれて著者と大家さんは仲良くなる。大家さんと街に出て食事に行ったり、力仕事の手伝いを…

縁側で泣く家族から読み解く、中心にはなれない人々の幸せ―宮部みゆき『小暮写眞館Ⅱ 世界の縁側』

あらすじ・概要 幽霊の写った写真の真相を明らかにしたことをきっかけに、新しく心霊写真にまつわる調査を依頼された英一。今度の写真は、縁側で泣く家族の写真。しかしその調査に関して当事者に話を聞くことは禁止される。いぶかしみながらも、英一は写真の…

2022年下半期に映画館で見た映画まとめ10本

もう2022年も終わりなので、下半期に映画館で見た映画の感想をまとめました。 会社の福利厚生が変わって「申請すれば800円で映画が見られるクーポンがもらえる」制度になったのでじゃんじゃん申請していました。ありがたい。その代わりクーポンが使える大き…

漫画家とその夫が田舎で暮らした4年間―グレゴリ青山『田舎暮らしはじめました うちの家賃は5千円』

あらすじ・概要 東京の高すぎる家賃に嫌気がさし、和歌山の奥地の家賃5000円の家に引っ越したグレゴリ青山とその夫。家庭菜園を作ったり、四季の花を満喫したりしながらも、不便さや虫の被害など田舎特有の困りごとにも悩まされる。いいことも悪いこともあっ…

虐げられた少女の一発逆転と、本当の高貴さとは何かというメッセージ―『コンフィデンスマンJP プリンセス編』

あらすじ・概要 世界有数の大富豪レイモンド・フウが亡くなり、その遺産は行方の分からない末の子ミシェルが相続することになった。詐欺師のダー子はスリの片棒を担がせられていた少女、コックリをミシェルに仕立て上げ、レイモンドの子どもたちから手切れ金…

トレパク騒動に傷ついたヒロインが優しい狐の青年に癒される―鳴澤うた『狐の婿入り~再会したあやかしの彼は大切なことを思い出させてくれました』

あらすじ・概要 いわれのないトレパク疑惑に巻き込まれ、誹謗中傷に疲弊してしまったイラストレーターの咲良。そんな中、祖母のけがで祖母の所有する山の見回りを頼まれる。そこで出会ったのはひとりの青年だった。どうやら彼の本性は狐で、咲良は彼とかつて…