ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ゴミを回収する毎日の中から世の中を見る―滝川秀一・滝川友紀『ゴミ清掃員の日常』

あらすじ・概要 売れない芸人の著者。そんな著者が始めたのはゴミ収集の仕事だった。日払いOK・副業OKのその仕事で生活を安定させることができた。しかしゴミ清掃員の仕事を続けるうちに、ゴミを通して社会のことを考えるようになる。ゴミ出し、回収から見え…

キャラ全員が性差別やルッキズムにさらされてるけど笑った―『鬼灯の冷徹』(アニメ版)

あらすじ・概要 文武両道の秀才として地獄で閻魔大王の補佐官を務める鬼神、鬼灯。彼の周りには個性的で傍若無人な鬼や妖怪たちがたくさんいる。地獄や妖怪、東西の伝説、神々の知識をちりばめながら、死後罪を償う世界での日常を描いた連作短編コメディ。

魔法の描写が魅力的なライトノベル・ライト文芸おすすめ7選

古今東西「魔法」をテーマにしたファンタジーは多く、多種多様な設定や世界観が生み出されています。今回はその中でもおすすめ作品をまとめてみました。 杖職人が謎の素材の情報を調べて古代の真実を知る『竜と祭礼』 母の形見の踊る靴を取り上げられて、傍…

悩みを抱える人々が甘味処を訪れ少し元気になる―中山有香里『泣きたい夜の甘味処』

あらすじ・概要 傷つき悩む人々の前に現れる、熊と鮭が営む甘味処。その店で甘いものを食べると、少し心が楽になる。マフィン、梅酒ゼリー、パウンドケーキなど、さまざまなお菓子と人生の苦楽が込められた連作短編。

「頑張れない」「我慢ができない」子どもたちをどう助けるか―宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』

あらすじ・概要 少年院の子どもたちに児童精神科医として携わった著者は、そこで反省できない、努力できない子どもたちに出会う。どうやら彼らはそもそも認知能力や知的能力が低く、自分をコントロールすることが苦手らしい。少年たちを社会に戻すために何が…

呪われた男が老けない女に出会って夫婦になる―D・キッサン『三千世の心中』

あらすじ・概要 富豪の家に生まれた山室真一は、自分が「厄」を持っており、自分の子を産んだ女性は死に至ることを知る。家を出てその呪いから救ってくれるという三千世という女性と出会うが、彼女は老けず、ものを食べなくても死なない体の持ち主だった。行…

北欧フィンランドにあこがれた著者がその国で寿司職人を目指す―chika『北欧こじらせ日記』

あらすじ・概要 20歳のときにフィンランドを訪れ、「ここに住みたい」と思った著者。それから何度もフィンランドを旅行し、北欧に関する仕事に就き、ついには「フィンランドで寿司職人になりたい」と望むようになる。夢を叶えるため、ときに寄り道をしながら…

星が人生を決める階級社会で国の中枢に乗り込み社会を変える―天川栄人『天球の星使い きみの祈りを守る歌』

あらすじ・概要 星の力で魔法を使う世界。社会は星の加護を持つ「星の子」と星を持たない「星なし」の階級に分かれていた。星なしの子アステラは、育ての親のロキと暮らしていたが、仕事をしようとしても失敗ばかり。そんな折、星の子たちが学ぶ学院の入学試…

本から事象を呼び出すことのできる国で、本好き少女が未完の物語の結末を探す―天川栄人『ノベルダムと本の虫』

あらすじ・概要 本好きの少女、アミルは、物語の王国(ノベルダム)ことイストリア王国に招かれる。そこで図書館の「本の虫」として働くことになったアミルは、遅刻間の上司ディレイや他の仲間たちとともに仕事に励む。図書館にはアミルの愛する本『五國物語…

犯罪組織のヒロインは誰のものにもならない―喜多みどり『デ・コスタ家の優雅な獣5』

あらすじ・概要 ダリオのプロポーズを受けたロザベラ。デ・コスタ家が結婚式のために準備をする中、敵対勢力との抗争の危険性が高まっていく。抗争を止めたいロザベラは、エミリオに幽閉されてしまう。それでもあきらめない彼女は、殺し合いを防ぐある賭けに…