ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

自伝

能の話より認知症の母の国際的介護問題のほうが面白い―梅若マドレーヌ『レバノンから来た能楽師の妻』

あらすじ・概要 レバノン内戦ゆえに故郷を離れ、学生をしていた著者はあるとき能楽師の息子と出会う。彼と結婚することになった著者は、能楽における古いしきたりや価値観に戸惑いつつも夫を支える。夫は著者とともに、新しい能楽のスタイルを表現するため活…

中国語を話せない台湾人が、中途半端な自分を肯定できるようになるまで―温又柔『「国語」から旅立って』

あらすじ・概要 日本で育った台湾人である著者は、長じるにつれ「台湾人なのに中国語を話せない自分」に悩むようになる。高校で中国語を学び、大学でも引き続き中国語を選択するが、その過程でも違和感がなくならなかった。「自分は自分」として著者が自分を…

東京に住むインテリ虫好き少年がアナウンサーになるまで―桝太一『理系アナ桝太一の生物部な日々』

あらすじ・概要 子どものころから虫好きだった著者、桝太一は、名門麻布中学に入学し、そこで生物部に入る。そこでは走り込みをして体を鍛えながら、生き物の採集をしていた。卒業後は東大に入り、海洋生物に興味を持ちアナゴや貝の研究をする。そんな著者は…

迷走した人間にしか語れない平成がある―雨宮処凛『ロスジェネはこう生きてきた』

あらすじ・概要 作家の雨宮処凛は、学生のころからいじめに遭い、バンギャになっても美大志望の少女になってもどこか名状しがたい生きづらさを感じていた。作者自身の半生を振り返りながら、「ロストジェネレーション=失われた時代に生きた世代」の息苦しさ…

知の巨人が少年時代に出会った先生たちの言葉 佐藤優『先生と私』感想

親からの借り物。 うちはわりとリベラルというか、どちらかというと左寄りの家だと思うんだけど、佐藤優の本は飛び交っています。 あらすじ 技師と専業主婦の間に生まれた男の子、佐藤優。彼は教育熱心な両親に後押しされ、地元の塾に通い始めた。そこには、…

本を愛する古書店主が張り出した張り紙をたどる さかもとけんいち『ほんじつ休ませて戴きます 人生最晩年、あふれ出た愛の言葉集』 

知り合いのおすすめで手に取った本です。大阪の話ですしね。 書籍概要 大阪の古本屋「青空書房」。そこに貼られた「ほんじつ休ませていただきます」という張り紙には絵と一言が書かれている。その張り紙を紹介しながら、店主が半生を語っていく。画集と語り…