ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ユーゴスラヴィアからやってきた彼女が帰る場所は 米澤穂信『さよなら妖精』感想

さよなら妖精 (創元推理文庫)

久しぶりに米澤穂信を読みました。

この人の描く小説の結末はだいたい辛くなるんですけど、今回もすごくつらかったです。読み終わってしばらくゾンビのようになっていました。

 

あらすじ

主人公は雨宿りをしていたユーゴスラヴィア人、マーヤと出会う。友人とともに交流を深めるうちに、ユーゴスラヴィアについて知りたいと考えるように。しかしユーゴスラヴィアは、大きな問題を抱えていた……。

 

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少年少女が願い事をめぐってサバイバルゲーム 穂邑正裕『ガン×スクール=パラダイス!』感想

ガン×スクール=パラダイス! (SD名作セレクション(テキスト版))

銃の知識は皆目ないですが、「シグサウアー」が時雨沢恵一ペンネームの元ネタということだけ知っております。

ということを読みながら思い出しました。

 

あらすじ

文化祭前に全校生徒でサバイバルゲームを行う学校。勝利者は校則をひとつ付け足すことができます。幼馴染の美久に「学校をやめる」と告げられた主人公は、学校を面白くするためにゲームでの勝利を目指しますが……。

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漫画とともに読める飯テロエッセイ 平松洋子『サンドイッチは銀座で』感想

サンドウィッチは銀座で (文春文庫)

図書館で谷口ジロー追悼特集が組まれていたので、つい借りてしまった一冊です。

ときどき追悼特集みたいなものに反感を持つ人を見かけるけれど、作品は読まれなくなったときに死ぬから、「この間ニュースで亡くなった人はどんな作家なんだろう」というきっかけで読むのもいいことだと思います、

 

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劇場版「天王寺おばあちゃんゾウ 春子 最後の夏」上映会に行ってきたレポ

天王寺おばあちゃんゾウ 春子 最後の夏 [DVD]

www.tv-osaka.co.jp

図書館で上映会があったので、「天王寺おばあちゃんゾウ 春子 最後の夏」を見てきました。

天王寺動物園保育所のころから何度も行っていて、映画の中でどのように描かれるのか興味がありました。

この映画はテレビ大阪の社会活動の一環として製作されているため、こうして無料での上映をしているそうな。

 

映画概要

60年も天王寺動物園で飼育されてきたゾウ、春子。彼女は2013年の夏ごろから炎天下の外に出るのを嫌がり始めます。徐々に衰えていく体と戦う春子と、彼女に寄りそう飼育員たちを描いたドキュメンタリー映画

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コバルト文庫の歴史から少女小説の立ち位置を考える 嵯峨景子 『コバルト文庫で辿る少女小説変遷史』感想

コバルト文庫で辿る少女小説変遷史

TwitterのRTで回ってきて、「これ絶対好きだ!」と思いました。読んでみたらやっぱり好きだった。

 

書籍概要

少女小説の代名詞とも言うべきレーベル、コバルト文庫。本書ではコバルトの歴史をたどりながら、少女小説における表現の変遷を考えます。最近では刊行数も少なくなってきた少女小説は、どこに「少女小説の遺伝子」を残していけるのでしょうか。

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それぞれの信念をもって退場していくキャラたち 九岡望『エスケヱプ・スピヰド六』感想

エスケヱプ・スピヰド 六<エスケヱプ・スピヰド> (電撃文庫)

女の子より主人公のほうが大きく描かれているライトノベル珍しくないですか? そういうところが好きです! ありがとうデザイン担当の人。

 

あらすじ

氷に閉ざされた町に向かった鬼虫たち。そこでは八番式・柊が眠っていました。一方神鯨に捕らえられた叶葉は、かつての恩人、伍長と再会を果たします。それぞれの思いが交錯し、クライマックスへ向かう一冊。

 

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おえかき少女の痛々しくも美しい青春 久世番子『私の血はインクでできているのよ』感想

私の血はインクでできているのよ (ワイドKC Kiss)

 

あらすじ

漫画家、久世番子が「おえかき少女」だったころの自分を回想。修学旅行のしおりの表紙を狙う、同人イベント参加、昔の同人誌の在庫……昔の恥を語りつつ、絵に夢中だった青春時代を懐かしむコミックエッセイ。

 

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