ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

宗教

性的暴力を疑うことの難しさを感じる『ダウト あるカトリック学校で』感想

Amazonビデオのクーポンをもらったので借りてみました。 あらすじ 子どもたちが学ぶカトリック学校。その学校の校長であるシスターは、神父が子どもに手を出したのではないかと疑いを持つ。証拠がない状態で、「疑い(ダウト)」だけが膨らんでいく。真実は…

性格の悪い神父が半端者の吸血鬼を拾う 瑞山いつき『スカーレット・クロス 混ざりものの月』感想

吸血鬼小説のおすすめで上がっていた小説のひとつです。吸血鬼ライトノベルは多すぎて把握し切れてないですね。 あらすじ 混ざりもののヴァンパイア、ツキシロは、行き倒れているところを神父のギブに拾われ、「聖なる下僕(しもべ)」となる。ツキシロとギ…

この作品のキリストには幸せになってほしかった ニコス・カザンザキス『キリスト最後のこころみ』感想

複数の読書ブログで見かけたので内容が気になっていました。 いや~読んでよかったです。面白かった。 あらすじ マリヤの息子イエスは、周囲の不思議な予兆に悩まされていた。そして天の啓示を受け、仲間を集めて自分の考えを広めていく。彼は十字架にかけら…

老いの悲しみを優しく描く 井上靖『補陀落渡海記 井上靖短編名作集』感想

あらすじ 生きたまま船に閉じ込められ、観音浄土を目指す表題作など、井上靖の名作短編を集めた一冊。

漂白された神話をはぎ取り真実の古代ギリシャに迫る 藤村シシン『古代ギリシャのリアル』感想

著者の藤村シシンさんはTwitterで「古代ギリシャの人」として有名。 その愉快な活動はTogetterにまとめられているので一読することをおすすめします。 twitter.com togetter.com 書籍概要 「白亜の神殿、青い海」そんなイメージがある古代ギリシャの文明。し…

自然音から聞こえる神の沈黙 『沈黙 サイレンス』感想

映画『沈黙-サイレンス-』予告 chinmoku.jp いやもうすごかった。 多分長く上映されないと思うので、少しでも気になる人は映画館に見に行ってください。あの音声も映像も映画館で見たほうが絶対楽しいと思います。 あらすじ 棄教したという噂の師、フェレ…

突撃となりの宗教教育 藤原聖子『世界の教科書でよむ<宗教>』感想

ちくまプリマー新書は中高生向けの新書レーベルなのですが、なかなか侮れないです。 書籍概要 高校の倫理教科書の編集に携わっている著者が、各国の宗教教育の教科書を集め、比較します。その国で「宗教」とはどのように学ばれているかを通して、日本におけ…

終末世界の謎生物の真実とは 『METRO2033 下』感想

『METRO2033 下』を読みました。 分厚いので結構手こずりました。 Metro2033 下 作者: ドミトリーグルホフスキー 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2010/06/21 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 26回 この商品を含むブログ (7件) を見る あらすじ 長い…

インドにおける愛国的団体はなぜ浸透したのか 中島岳志『ヒンドゥー・ナショナリズム』感想

積読崩そうとして放置してた本を消化してます。『ヒンドゥー・ナショナリズム』もその一冊。 ヒンドゥー・ナショナリズム―印パ緊張の背景 (中公新書ラクレ) 作者: 中島岳志 出版社/メーカー: 中央公論新社 発売日: 2002/07 メディア: 新書 購入: 1人 クリッ…

ガンジス河に集まった日本人たちの救済 遠藤周作『深い河』感想

『深い河(ディープ・リバー)』を読みました。 結構読むのに手こずってしまいました。 深い河 (講談社文庫) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1996/06/13 メディア: 文庫 購入: 10人 クリック: 65回 この商品を含むブログ (141件) を見る あ…

日常は呪術であふれている 神崎宣武『ちちんぷいぷい 「まじない」の民俗』感想

『ちちんぷいぷい 「まじない」の民俗』を読みました。 久しぶりに民俗学系の文章が読みたくなったのでセレクト。 ちちんぷいぷい―「まじない」の民俗 作者: 神崎宣武 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 1999/02 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る…

オウム信者たちが語る「オウム真理教」の姿 村上春樹『約束された場所で underground2』感想

『約束された場所で underground2』を読みました。 『アンダーグラウンド』の続編ということで読んだ本です。 約束された場所で―underground 2 (文春文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2001/07 メディア: 文庫 購入: 14人 クリック: 7…

被害者62人が語る地下鉄サリン事件の真実 『アンダーグラウンド』感想

『アンダーグラウンド』を読みました。 1000円くらいするのか、高いな~と思ったら700ページで二段組みという文章量。むしろ安かったです。 アンダーグラウンド (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1999/02/03 メディア: …