ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

ロシア

『おいしいロシア』シベリカ子 イースト・プレス 感想

あらすじ・概要 ロシア人男性と結婚した著者は、一年間ロシアで暮らすこととなる。そこで食べたロシアの料理を漫画に描いた。肉、魚、乳製品など、ロシアの料理と共に、ロシア独自の文化も紹介。「おかわり」では日本に帰国したあとのふたりが描かれる。 ロ…

【軍事学者が語る、侵略国家になってしまった国の日常と文化】小泉悠『ロシア点描 まちかどから見るプーチン帝国の素顔』

あらすじ・概要 ウクライナへの侵略によって、「プーチン帝国」と独裁国家として語られるようになったロシア。そこで日常を過ごす国民たちはどんな暮らしをしているのか。軍事学者である著者は、自身のロシアでの生活を振り返りながら、ロシアに生きる人々の…

強烈な個性を持つダンス教師の数奇な過去とは―米原万里『オリガ・モリソヴナの反語法』

あらすじ・概要 ダンサーの道を諦めて翻訳家になった広世志摩は、かつてチェコスロバキアの学校でオリガ・モリソヴナという教師に出会った。強烈な個性を持ち、多くのダンサーを育てた彼女の謎を解くために、志摩はロシアを訪れる。親友カーチャとオリガの数…

極寒の街で街じゅうの人に歓迎される―まえだなをこ『世界で一番寒い街に行ってきた ベルホヤンスク旅行記』

あらすじ・概要 「世界で一番寒い街に行ってみたい!」と、Facebookでガイドしてくれる人を探し、飛行機を乗り継いでベルホヤンスクに向かった著者一行。そこは、濡れたシャツですら凍る街だった。著者たちは、珍しい異邦人として街の人にさまざまな歓迎を受…

父親が語るシベリア抑留―おざわゆき『凍りの掌 シベリア抑留記』

今日の更新は、おざわゆき『凍りの手』です。 シベリア抑留の話と聞いて気になった作品。 あらすじ 著者は父のシベリア抑留の話を漫画にしようと、聞き取りを始める。学徒出陣の対象者として満州に向かった著者の父は、終戦後ロシア軍にシベリアに連れていか…

トラクターの技術は世界をどう変えたか―藤原辰史『トラクターの世界史 人類の歴史を変えた「鉄の馬」たち』感想

今日の更新は藤原辰史『トラクターの世界史』の感想です。 とあるブログで紹介されていて興味を持った本です。 書籍概要 畑を自動で耕す道具、トラクター。その発達は農業だけでなく、社会全体を変えた。各国のトラクターの歴史を振り返りつつ、トラクターが…

ソビエト・ロシアの収容所で生きた日本人たちの生活 辺見じゅん『収容所から来た遺書』感想

収容所と書いて「ラーゲリ」と読みます。 あらすじ 第二次大戦後、「戦犯」としてソビエト・ロシアの収容所(ラーゲリ)に収容された軍人の男性たち。日本に帰る日を夢見て、貧しい食事や厳しい労働に耐えていた。そんな中、日本人の中心的人物が病気で臥せ…

犬による犬のための犬に満ちた小説 古川日出男『ベルカ、吠えないのか?』再読感想

人生で五指に入るくらい好きな本です。久しぶりに読み返したくなりました。 あらすじ 第二次世界大戦中、キスカ島に取り残された4匹の軍用犬。彼らはそこから子孫を増やし、世界中に広がっていく。一方で、ソビエトが滅んだロシアでは、ある老人が、犬とと…

一人でシベリア鉄道に乗ったら出会いがたくさんあった 織田博子『女一匹シベリア鉄道の旅』感想

借り物。タイトルに使われてるフォント、きりぎりすでしょうか。こういうことが気になる体質になってしまった……。 あらすじ ユーラシア大陸を横断するシベリア鉄道。著者は女一人でシベリア鉄道に乗り込み、ロシアから中国を旅する。そこには同乗者の出会い…

スラヴ圏の吸血鬼、そしてそれにまつわる伝承を解説する 栗原成郎『スラヴ吸血鬼伝説考』感想

どこかで見た名前だと思ったら『ロシア異界幻想』を書いた方でした。あれも面白かったです。 書籍概要 死者が墓から起き上がり、血を吸うというスラヴ圏の吸血鬼。その伝承に関わる人狼、夢魔、死神などの魔物の考察や、フィクションにおける吸血鬼の扱いに…

ロシアをさまよう漂流民たちに感情移入 井上靖『おろしや国酔夢譚』感想

読みたいと思っていたんですが、後回しになっていてやっと読めました! ロシアの殺し屋恐ろしや。 あらすじ 船旅のうちに遭難し、ロシア領の離島にたどり着いた伊勢出身の船乗りたち。彼らはロシアの街を転々としながら、帰国の方法を探ります。過酷な異国の…

ソ連のダーチャに現れた謎の主従 沙村広明『春風のスネグラチカ』感想

この間のKindleポイント還元セールで買ってみました。 Twitterの方が主従関係萌え作品として強くおすすめされていたので興味を持ったもの。 あらすじ ある別荘(ダーチャ)に現れた車いすの少女と召使いの青年。彼らは別荘に隠されている何かを探します。彼…

料理から見るロシアの文化 萩野恭子・沼野恭子『家庭で作れるロシア料理 ダーチャの菜園の恵みがいっぱい!』感想

民族料理について調べてみたいと思ったので、民族料理のレシピ本を探していました。 『家庭で作れるロシア料理』もそのひとつ。 家庭で作れるロシア料理 ダーチャの菜園の恵みがいっぱい! 作者: 荻野恭子,沼野恭子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 20…

終末世界の謎生物の真実とは 『METRO2033 下』感想

『METRO2033 下』を読みました。 分厚いので結構手こずりました。 Metro2033 下 作者: ドミトリーグルホフスキー 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2010/06/21 メディア: 単行本 購入: 1人 クリック: 26回 この商品を含むブログ (7件) を見る あらすじ 長い…

モスクワの地下鉄でサヴァイヴせよ ドミトリー・グルホフスキー『METRO2033 上』感想

『METRO2033 上』を読みました。 これもSF好きの友人にすすめられたもの。 Metro2033 上 作者: ドミトリーグルホフスキー 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2010/06/21 メディア: 単行本 購入: 2人 クリック: 85回 この商品を含むブログ (9件) を見る あらす…