ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

『週末同じテント、先輩が近すぎて今夜も眠れない。』蒼機純 GA文庫

週末同じテント、先輩が近すぎて今夜も寝れない。 (GA文庫)

 

あらすじ・概要

インドア派でゲームや漫画や本が好きな主人公黒山香月は、ゲーム好きの女性、四海道先輩にに連れていかれる。共同作業やキャンプ飯を通して、キャンプが好きになってきた主人公は、同時に四海道を好きになっていく。

 

後輩と先輩の胸キュンなやりとりが最高

かわいい~!!

高濃度の胸キュンを浴びました。

ご都合主義の面もありますが、少年少女がかわいいので細かいことは気にならなくなってきます。

 

インドア派の主人公黒山と、そんな主人公にキャンプの面白さを知ってほしい四海道先輩。少しだけ年上の彼女とキャンプをしながら心が近づいていきます。

主人公がかっこつけようとして失敗したり、四海道が年上らしい大人びた対応をしたり……とひとつひとつの描写にときめいてしまいます。

キャンプという共同作業を通して、お互いをわかりあっていくふたりがよかったです。

黒山がインドアだという設定も、死に設定にならずにところどころ出てきて物語を牽引していくのがよかったです。四海道先輩とゲームをやっているシーンはかわいかったです。

特に劇的な話は起こらないですが、登場人物の優しいコミュニケーションや、違う価値観を知っていく楽しさに癒されました。

妹や成人のお姉さん、教師など、登場人物はみんな仲良しなので、安心して読めました。

 

 

 

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私は少女小説(女性向けライトノベル)に何を望んでいるのか3つ考えてみた

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少女小説とは何か?

という気持ちになったので、私が少女小説(女性向けライトノベル)に求めていることを書いてみました。

ちなみにうちのブログではもう少女小説という言葉をあまり使わなくなっています。読んでいる私が少女ではないですから。女性向けライトノベルと呼ぶことが多いですね。

 

01.女性の生に肯定的であること

これが一番重要かなあ。

人間、女性向けジャンルなので特に女性を肯定する物語でなければならない。

女性向けジャンルは女性が楽しくハッピーに生きることには肯定的であってほしい。

例えば「女性は陰険」みたいな描写が出てくると、なんで女性向けでそんな話をするんだという気持ちになります。

もちろん女性にも陰険な人はいるでしょうが、男性や他の属性に比べて陰険な人が多いという証拠はないし、統計を取ることは難しいでしょう。陰険な人が自ら自己申告することはないから……。百歩譲って「この作品に出てくる人間は全員陰険」ならいいと思いますけど。

悪意や嫉妬を描いていても、ものすごい鬱展開があったとしても、最終的に「生きること」を肯定していない物語はエンタメとしてはつらいんですよね。ホラーやサスペンスなど、暗い感情を描く前提のジャンルならいいかもしれないですけど、それ以外だと嫌だなと。

だって「人間なんて滅んだ方がいい」みたいなテーマ書かれても私たちは「そうだね、じゃあ滅ぼうか!」という短絡的な選択肢は選べませんから。

この辺よかったな~と思うのは『シンデレラ伯爵の靴箱館』です。毎回ゲストキャラの女性がそれぞれの問題を抱えています。そこに主人公が関わることで前を向けたり、新しい人生を歩んだりできるようになります。

 

 

 

02.いい感じの関係性があること

関係性のオタクなので関係性がよい

私は基本男女CPのオタクなので男女の関係性があるものが好きですね。

ただ、私も価値観が変わってきたので「男女CPを描く=異性愛至上主義である」という感じでなくてもいいと思います。

恋愛をしない人間も普通にいるだろうし、恋愛をしてもやっぱり友情の方がいいな……となる人もいるだろうし、いろいろです。

『魔女の宅急便』は次世代編で結婚してないキャラもいたのが面白かったですね。まあ全員結婚してても変だよな……。

関係性といってもずぶずぶである必要も永遠である必要もなく、ただ人生の一コマとして、いいなと思えるものがあったら嬉しいですね。

 

03.恋愛以外のドラマが発生すること

女性向けライトノベルにおいては恋愛が主題になりがちだからこそ、登場人物が恋愛以外の

スケールが大きく世界の命運がかかっているのも好きだし、友達や家族のことで悩んでいるのもいい。

私は恋愛してるキャラクターが、恋愛以外のことで悩んでいるのが好きです。世界観が広がる気がするから。

あと、女性向け以外でも全然恋愛至上主義的じゃない世界観に恋愛脳のキャラが登場するのが好きなので、そのせいもあるかもしれません。『HUNTER×HUNTER』のパームや

『呪術廻戦』の万が好き。

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『花冠の王国の花嫌い姫』はストーリーとしては恋愛以外のことを解決する描写の方が多いです。政治的ごたごたに立ち向かっていくヒロインが好き。

 

まとめ

女性向けのコンテンツってシナリオライターとファンの距離感が近すぎて、意見の対立を忌避しすぎている気がします。もっと「おれのかんがえた最強の少女小説」で殴り合ってもいいんじゃなかろうか。

私がこうあったらいいなという話をしましたが、「こんな話は絶対に書きたくない」と思う作家がいてもかまいません。むしろそういう反発心を持つ人に作家をやってもらいたいです。そのくらいわがままさがないと創作活動は続かないと思いますから。

最近の創作者は優しすぎて、他人の価値観を理解しようと努力しすぎている気がします。しかし、価値観を変えるというのは時間がかかるもの。その人の言っていることが正しくてもすぐ認められないのは普通の子とではないでしょうか。

面白い作品で殴りに来てほしい。それが私の願いです。

 

 

『王様のプロポーズ5 真赭の賢者』橘公司 ファンタジア文庫 感想

王様のプロポーズ5 真赭の賢者 (富士見ファンタジア文庫)

 

あらすじ・概要

世界最強の魔術師・彩禍と同化している無色は、彩禍の姿で滅亡因子と戦っていたことにより落第しそうになる。エルルカと共に補習と言われて向かったのは南の島。一行はそこで採集をしながら補習を行うが、そこにも滅亡因子の危険が迫る。

 

話は楽しいけどひとりかわいそうなやつがいる

ゲーミフィケーションのような描写があったり、それぞれの水着姿の設定が違ったりと面白いですね。

仮面とかニッチ性癖も回収してるのがすごいです。

 

新キャラはギャンブル依存症の美少女のような美少年とムキムキ筋肉巨女という組み合わせ。ちゃんと挿し絵もあります。

設定的に今後も出てきてくれそうなので、活躍を期待しています。

 

今回はエルルカ回。エルルカは過去同族の女性と結婚していました。エルルカは相手を助けるために形式的に結婚したのですが、相手は本気で……という話。

痴情のもつれ! となりましたがそもそも今回の滅亡因子が痴情のもつれ的なものなのでつじつまは合っています。ケモミミキャラマシマシでかわいいですね。

エルルカの狼バージョンの挿し絵があるのも助かります。デザインするの大変だろうにこのシリーズデザインが豪華ですね。

 

ただ明らかに百合を意識した回なゆえに、エルルカを無色のハーレムメンバーにする必要はなかったのでは? 無色は彩禍一筋なので百合に挟まる男になりたいわけではないし、エルルカの相手がかわいそうです。モテても嬉しいという気持ちの前に彩禍のために貞操を守ることが出てくるキャラクターなので、そこははっきりきっぱり断ってほしかったですね。

 

 

 

 

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『女子高サバイバル』須賀しのぶ コバルト文庫 全2巻 感想

女子高サバイバル (コバルト文庫 す 5-12)

 

 

あらすじ・概要

女子高に通うキリコは友人・スイの誘いでグラウンドホッケーをやることになる。体育会系のノリが苦手なキリコは、なるべくすぐにグラウンドホッケーを辞めたかったのだが、そうもいかず……スイの姉要、関西出身のミステリアスな女子八重垣も加わり、グラウンドホッケー愛好会は賑やかになる。

 

倫理のないギャグとそれでも面白いスポ根描写

「1998年のギャグって倫理がないなあ」という気持ちと「それでも面白いと感じさせる須賀しのぶの筆力がすごいなあ」という気持ちが同時に来ました。

グラウンドホッケーとは、スティックでボールを打ち合い、キーパーのいるゴールへシュートして得点するスポーツです。人数は11人。この本に出てくる愛好会は11人に満たないため、部員の少なさで苦戦することになります。

ホッケーとは|ルールと競技規則|JHA 日本ホッケー協会

 

作中は現代ではありえないほどの差別発言の連続です。女性にあこがれる女の子をレズと揶揄したり、BL好きな女の子をけなしたり、などなど、この作品が現代で発表されていたら間違いなく炎上するでしょう。

 

一方で、女の子同士が罵倒しあい、けんかをしながらグラウンドホッケーというスポーツをやる筋書きそのものは面白かったです。

主人公を含め、登場人物全員がよこしまな理由でグラウンドホッケーをやっています。あこがれの女性と近づくため、顔のいい女性同士の絡みを拝むため、なめられてむかついたからやり返すため……。それでもなんだかんだと勝利を目指し、初心者なりの勝利を勝ち取ります。

きれいごとが発生しないからこそ、思いを完遂したキャラクターに笑いながらよかったねと言いたくなります。

 

差別描写があまりにもあんまりなのでお勧めしづらいですが、個人的には好きな作品でした。

 

 

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『ギルド最強VSクールな受付嬢 あなたを攻略できるクエストはありますか?』木の芽 ファンタジア文庫 感想

ギルド最強VSクールな受付嬢 あなたを攻略できるクエストはありますか? (富士見ファンタジア文庫) 

 

あらすじ・概要

ギルド最強の冒険者、レイジは受付嬢のアリサに恋をしている。高難易度クエストを受けてはアリサを口説き、振られることを繰り返している。エルフのアリサとレイジはかつての師弟であり、アリサが冒険者をやめた理由が明らかになっていく。

 

ほほえましいエルフと最強冒険者のラブコメディ

ほほえましいラノベで安心して読めました。キャラクターみんなの幸せを願いたくなります。

 

ギルドの受付嬢にガチ恋しているレイジは、彼女のために高難易度クエストをこなし、何度も口説きます。そのアプローチをけんもほろろに断る受付嬢アリサ。

ストーリーが進むうちに、アリサの過去が示唆されると共に、関係が進展していきます。

当て馬キャラクターも登場しますが、レイジには全く脈がないだろうな……という感じでストーリー的には一対一のラブコメです。

アリサ以外は眼中にないからこそ、他の女性にも恋愛抜きで優しくしてしまい、そこに惚れられるというのは何だかリアルではありますね。悪い奴じゃないけどレイジはやめとけって言いたくなります。

 

ツンデレキャラクターであるアリサの描き方がよかったです。

エルフ女性と人間男の歳の差ものであり、エルフ側からすると人間の短い人生を自分のために浪費させているという罪悪感があります。

それを思うとアリサが素直になれないのはわかるし、レイジの口説き方が完全にギャグなので冷たくあしらいたくはなりますよね。いや、いい奴なんですけどね。それはそれとしてもうちょっとロマンチックに口説け。

 

男性向けなので多少セクシーなシーンもありますが、主人公が一貫してヒロインにぞっこんなのと、根が善良なので安心して読めました。

巨乳の存在を気にしつつ、胸のことはできるだけ考えないようにしている主人公いい奴だな……となりました。

 

 

 

 

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『なりゆき斎王の入内』小田菜摘 ビーズログ文庫 全9巻 感想

なりゆき斎王の入内 ~この婚姻、陰謀なりけり~ (ビーズログ文庫)

 

あらすじ・概要

天皇の孫で一時的に斎王として暮らしていた塔子は、次期天皇である東宮の妃候補となる。熊野に帰りたい塔子は入内したくなかった……。政治と皇族をめぐる平安ラブロマンス。

 

固めの和風世界観が面白い

この作者の和風世界観ライトノベルはいくつか読んでいますが、このシリーズが一番がっちり和風でした。めちゃくちゃ漢字多いし、ちょっと見ただけではわからない単語が多いです。それでも話の筋がわかるのはすごいです。

実際日本史が専門の人が見たらまたツッコミどころあるのでしょうが、なかなかない世界観の再現度でした。読みごたえがあります。

キャラクターは実在しませんが、世界観は現実の平安時代を踏襲しています。だから「古事記」や「日本書紀」、「源氏物語」が登場します。元ネタを知っていると楽しいです。

巻末には参考資料がたくさん掲載されているので、元ネタが知りたい人にも親切です。

 

人間関係にリアリティがあって感情移入できる

内容は宮中のドタバタ劇……というよりガチの政治闘争です。

東宮と皇孫である主人公たちは、外戚になろうとしてくる摂関家の力に対抗していくために陰謀の中を綱渡りします。

明らかな暴力は少ないものの、陰謀自体はシビアなものです。作者の「悪女を書くのが好き」という言葉通り悪女もクオリティが高いです。

主人公ふたりは権力欲が薄い方ですが、やりたいことをやるためには権力が必要です。そこが結構生々しかったです。

主人公たちは善人であるものの、たまに無神経な発言をするのもリアリティがありましたね。善人で読者に寄り添うキャラクターであってもこのくらいのコミュニケーションの事故は起こります。安易に聖人君子にしなかったことは好感が持てました。

 

最終巻でみんなが協力するのが熱い

最終巻では今まで対立してきたキャラクターの協力が得られました。こういう展開はやっぱり熱いですね。

主人公と最後まで対立してきた女御も、最後まで格を落とさなかったのがよかったです。主人公の、善の女でありながらどこかネジの外れた行動も最高でしたしね。

皇族として権力闘争に巻き込まれ、そして自らも戦わなければならなかった塔子としては、「権力が最上のものではない」という結末は救いであったと思います。もちろん現実の平安時代ではこうはならないでしょうが、フィクションであれば救済を描いてもよいでしょう。

血のために陰謀や策略が張り巡らされる世界観で、主人公ふたりが現代の倫理に一歩近づく結末はよかったですね。

 

 

あと、挿絵もかなり豪華でよかったです。平安ものってどうしても描ける人が少ないと思うんですが、キャラクターみんな衣装が華やかで楽しかったです。

カラーもモノクロも上手いし、やっぱり絵がきちんと書き込まれていると嬉しいですね。

 

 

 

 

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『公爵令嬢ティアレシアの復讐』奏舞音 ビーズログ文庫 全2巻 感想

公爵令嬢ティアレシアの復讐 ~悪魔の力、お借りします~【電子特典付き】 (ビーズログ文庫)

 

あらすじ・概要

姉に陥れられて処刑されたクリスティアンは公爵令嬢ティアレシアとして転生する。悪魔ルディとともに、姉に復讐するため奔走する。意地悪な姉は、ティアレシアも攻撃してきて……。転生政争ファンタジー。

 

テンポの速い転生ファンタジーでモラルも高い

普段あまり転生ものは読んでいないのですが、これは読んでみたらすらすら読めました。テンポが良く、描写がわかりやすいです。

ティアレシアというヒロインが積極的なので、展開も早いです。

ヒーローがちょっと強引なシーンもありますが、ティアレシアがはっきり意見を言えるキャラクターなのであまり不快感がないです。嫌だったら嫌って言うだろうしな……。

モラルも非常に高いので、ティアレシアなら大丈夫だろうという安心感がありました。

 

クリスティアンの人格を引き継ぎつつ、ティアレシアとして生きていて、キャラクターとしても好ましかったです。クリスティアンの人格だけ取り沙汰されていると、現代のティアレシアの立場は何……となってしまいますからね。

 

1巻でキリがよく終わったために、2巻は蛇足なのではいかと不安になりました。しかしその不安を払拭してくれる出来でした。

何のために復讐相手を生かしておくのか、その理由がきちんと現れます。謎の宗教というおどろおどろしいネタも加わって、1巻とは別の味わいがありました。

2巻でほぼ全ての伏線を回収したのでこれで完結でしょうか。

能力があると思うので、また書いてほしい作家です。

 

 

 

 

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『蒼穹のカルマ』橘公司 富士見ファンタジア文庫 全8巻 感想

蒼穹のカルマ1 (富士見ファンタジア文庫)

 

あらすじ・概要

空飛ぶモンスター空獣を狩る駆真(かるま)は、姪にはデロデロになるほど甘い。駆真が愛する在紗を巡って、異世界を冒険したり学園に潜入したり、ドタバタ劇を繰り広げるトンチキコメディ。

 

愛が重いけど愛が深い百合SF

姪にはポンコツになる最強系ヒロイン。ポンコツっぷりがすごいですが、格が下がらないのがまたすごいです。思考回路はおかしいけど社会人としては有能で、ちゃんと仕事しているんですよね……。

部下の能力を適切に理解したり、アドバイスしたりするので、ただ性格のおかしい女性ではありません。主人公として納得のいく活躍をしています。

 

世界観は学園ものになったり、異世界勇者と魔王のファンタジーになったり、揺れ動きます。

めちゃくちゃな展開ですが、一応ストーリーのつじつまは合っているところがすごいですね。ネタ系ばかりの展開でつじつま合うことあるんですね……。

 

あとは「おそらく恋愛関係にはならないけど、お互いのことを『わかってる』男女」が浴びれたのがよかったですね。テーマ自体が女と女の関係性なので、恋愛関係にならないということが確定しています。

三谷原

在紗に惚れた異世界の魔王(男性)も駆真と共闘してくれて、突発的に発生するバディ要素が好きでした。

思えば、分の好きな人にはいろいろな人に好かれて幸せになってほしい、と思えるのは素敵ですね。

 

ロリコン的描写が強いので、フィクションであっても未成年が性的に描かれる作品が苦手な人はやめておいた方がいいかもしれません。

 

 

 

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【笑える・面白い】コメディライトノベルのおすすめ15選

コメディジャンルについての記事は人気があるので、他の媒体もまとめることにしました。

今回はライトノベル編です。ライトノベルかどうかは、基本的にレーベルで判断しています。

書影をクリックするとAmazonに飛べます。

 

 

 

 

ビーズログ文庫

『神抱く凪の姫』響野夏菜

神抱く凪の姫1 ~キレ神様、お目覚めにございます~ (ビーズログ文庫)

自分の身をもって悪神を封じる娘、沙綾の前に、解放された祟り神、嵐嶺が現れる。封印の影響で慢性的な体調不良になっていた沙綾は、封印が説かれて元気になって大喜び。自分が健康でい続けたいのもあり、嵐嶺のことを構い、彼を悪神でなくしたいと行動する。

オラオラ系神様ヒーローと、元気に周囲を振り回すトンチキヒロインの組み合わせが面白かったです。ふたりのやりとりに何度も笑いそうになりました。

本来、悪い神であるはずの嵐嶺が、ほだされてまともになっていく敬意が丁寧に描かれていてよかったです。

ヒロイン沙綾も世間知らずでめちゃくちゃな物言いをしますが、長い間体調不良であったからこそのたくましさや共感能力があり、好きになるのもわかるキャラクターです。モラル自体は高く、人が傷つくことを忌避するので読んでいて安心感があります。

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『となりの魔王』雪乃下ナチ

となりの魔王 到来編 (ビーズログ文庫アリス)

田舎の田園地帯に暮らす夏織(かおり)の家の隣に、魔王が引っ越してきた。ファンタジー世界から抜け出たような彼に夏織は戸惑うが、地域の住民はあっさり受け入れているようで……。夏織は、ご近所さんとして魔王と付き合い、その一般人とは違う思考回路に振り回される。

のんびり読めるほのぼの日常ものでありながら、文章のクオリティがすごかったです。ラノベらしいポップな語り口で、読みやすく、ところどころのユーモアが利いている。すごく文章の上手い作家だと思います。

あらすじ自体は本当に何気ないもので、洗濯機の使い方を教えたり、流しそうめんをやったり、花火をやったり、とりたてて大きな伏線もなければどんでん返しもありません。そういう何気ない話をここまで面白く愉快に書けるのがすごいです。

やたらと古風で中二病なしゃべり方なのに案外お人好しで、子どもっぽいところもある魔王と、普通の女子高生だがツッコミ力が高くモノローグの面白さが群を抜いている夏織の、恋愛要素のない交流は本当によかったです。

お互いに好意や情はあるものの、恋愛フラグが立たない関係っていいよね。

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『家電彼氏』雪乃下ナチ

家電彼氏 (ビーズログ文庫アリス)

大学進学をきっかけにひとり暮らしを始めた塔子。しかし家に置いてある、体重計や電子レンジ、掃除機が勝手にしゃべり始める。彼らは塔子の彼氏面をし出し、何かと塔子の私生活に口を出すようになる。塔子は個性豊かな家電たちに翻弄される毎日を送る。

イラストには美麗な擬人化キャラが添えられているんですが、あくまで本文中では家電は家電であり、人間の姿をしていません。

つまり塔子は文字通り家電に彼氏面をされています。

ある意味人外×人間ものだと言えるのかもしれませんが、相手が家電なのでロマンチックさのかけらもありません。塔子に彼氏っぽいものができそうになると「家電に例えるとどんな感じ?」と聞くし、機能をディスると機嫌を損ねます。

それから、主人公の塔子がありがちないい子ちゃんのキャラではなく、年相応にドジだったり愚かだったり欠点があるところが愛しいです。友達に見栄を張ってしまったり失言をしたり。人間味があって好きです。

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角川ビーンズ文庫

『重装令嬢モアネット』さき

重装令嬢モアネット【電子特典付き】 (角川ビーンズ文庫)

当時婚約者だった王子に「醜い」と言われたことで日がな一日鎧をかぶって生活するようになったモアネット。森の中で魔女として暮らしていた彼女の元に、王子と従者のパーシヴァルがやってくる。王子が不運に見舞われ続けるのはモアネットのせいであり、呪いを解いてほしいと言われるのだが、モアネットに心当たりはなく……。

作中のほとんどでモアネットは鎧をかぶっており、挿絵でもがっつり鎧です。その描写にはライトノベルというコンテンツにおける外見至上主義的展開へのアンチテーゼを感じます。

鎧にまつわるコメディ要素には何度も笑いました。

そんな外見に自信のないモアネットが、根はお人好しゆえに王子とパーシヴァルを助け、外見ではなく精神性や能力で自分自身の居場所を得ていくのは前向きで勇気づけられました。

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ルルル文庫

『人形姫と身代わり王子』みどうちん

人形姫と身代わり王子 (ルルル文庫)

生まれたときから魔界の王子と結婚することを運命づけられていた撫子は、将来の婿、ヴァリーに会えるのを心待ちにしていた。魔界の王子との結婚は生贄のようなものだが、撫子は手紙でヴァリーに恋をしていたのだ。しかしやってきた魔界からの婿は、替え玉だった……。

ヒロインがお嬢様口調、猪突猛進の恋する女の子という尖った設定。しかしこのヒロインがかわいいんですよね。育ちがよくて世間知らずだけどいい子だし、案外周りを見ているところもあるし。

ヒーローも偽悪的なところはありますが、魔界と人間界を思って行動できるいいやつで、ヒロインのために体を張る一面も。ふたりとも癖はあるけどほほえましく、お似合いのカップルです。

替え玉をきっかけに出会ったふたりがけんかをしながらも少しずつ心を通わせていく過程は、ラブコメとしては笑えるし恋愛ものとしてはときめきました。

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電撃文庫

『ロミオの災難』来楽零

ロミオの災難 (電撃文庫)

一年生五人だけの演劇部。文化祭の公演の相談をしていると、五人で演じられる『ロミオとジュリエット』の台本が落ちてきた。その台本を演じることにした五人だったが、なぜか部員たちの恋愛の矢印が、ロミオ役の如月に向き始め……。

自分のよくわからない趣味に、「主人公が幸せにならないハーレムが好き」というのがあるんですが、この趣味に合致する本で好きでした。

ハーレム状態で嬉しいな、という感覚ではなく、思い人の本心に悩み、操られた恋心によって騒動を起こす部員たちに悩み……という如月の心中が面白かったです。

そして終盤における、演劇シーンの怒涛の展開はすごく面白かったです。

基本的に青春ラブコメなんですが、その中で自分の感情に向き合い、結論を出していく少年少女たちはよかったです。

余韻のある終わり方で、今後の想像をしてしまうところも好きでした。

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『ラノベ作家になりたくて震える』嵯峨伊緒

ラノベ作家になりたくて震える。 (電撃文庫)

自分の書いた作品そっくりの小説がライトノベルの賞を受賞した。主人公藍介の小説を書き直し、勝手に応募したのはかつて藍介がいじめられる原因を作った睡蓮。作品の続きを書きたい気持ちと、睡蓮の「藍介の作品が好き」という言葉につられて、藍介は2巻を書くことになるが……。

確かに話の始まりは倫理的にヤバい、ヤバいのですが、疾走感があって最後までするする読んでしまいました。

そのめちゃくちゃなノリに身を任せることができれば楽しめると思います。

盗作した睡蓮にめちゃくちゃ怒ってたのに作品を褒められて乗せられてしまう藍介。褒められることに免疫がないところが笑えますし、そのちょろさに「どっちもどっち」という気がしてきます。

そして「盗作」から「共作」にシフトしていく流れ、主人公自身で納得していく心理描写がつじつまがあっていたので読者としても怒れなくなってきました。

主人公の価値観の推移がハイテンションでテンポのいい語り口で進んでいきます。何かもう負けた。作者の勝ちでいいです。私は楽しめてしまいました。

 

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ガガガ文庫

『人類は衰退しました』田中ロミオ

人類は衰退しました1 (ガガガ文庫)

人類最後の最高学府を卒業し、故郷に戻ってきた「わたし」。そこで調停官という仕事に就くが、実質お飾りの役職らしい。調停官の「わたし」は今地球を支配する新人類、「妖精さん」にコンタクトを取り、交流していくが……。

初々しい「わたし」が現人類、妖精さんたちと触れ合い、高度な建築物や疑似生命を生み出すその技術力にビビり、めちゃくちゃになってしまったペーパークラフト世界を呆然と見つめるのは面白かったです。

「わたし」の反応も根暗な人見知りではあるものの、人間らしくて共感できるんですよね。楽な仕事をしたい、責任は取りたくない、でもある程度のモラルはある、というキャラクター造形が好きです。

自然や廃墟となった文明が描かれる、一見牧歌的な作品でありながら、現実世界のパロディや皮肉であったり、生命倫理すれすれのギャグだったりが描かれていて飽きないですね。

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『AURA~魔竜院光牙最後の闘い~』田中ロミオ

AURA ~魔竜院光牙最後の闘い~ (ガガガ文庫)

学校に忘れ物を取りに帰った少年、佐藤一郎は、リサーチャーと名乗る謎の女の子に出会う。しかしその正体は佐藤良子という一般女子。妄想をこじらせた彼女は異世界の住人を演じていたのだ。担任教師から脅されて良子の面倒を見ることになった佐藤は、クラスの半数を占める妄想戦士たちの奇行に巻き込まれることになる。

確かに空想の中で遊ぶ少年少女は「イタい」。それは確かです。しかしながら、彼らは学校では「普通」に振る舞わなければならない、空気を読んで言葉のキャッチボールをしなくてはならない、という固定観念に苦しめられている子どもたちでもあります。

中二病の痛々しさ、みっともなさを描きながらも、なりたい自分を演じて遊んではいけないのか? 不思議や空想を心の支えにしてはいけないのか? と問いかけてきます。

というメッセージ性もありますが、この作品は面白トンチキコメディでもあり、妄想にどっぷりハマったクラスメイトたち、そして佐藤の過去もげらげら笑えます。

疾走感あふれる展開の速さで、痛気持ちいいような快感を感じました。

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『ほま高登山部ダイアリー』細音啓

ほま高登山部ダイアリー (ガガガ文庫)

高校に入学した冬馬は、勇気を出して中学時代のクラスメイト、縁(ゆかり)に告白する。しかし縁に「登山が好き」と勘違いされてしまい、なし崩しに登山部に仮入部する。登山部は、変人奇人の集まりだった。新入生歓迎も兼ねた四月の登山に向けて、登山部たちは準備を行う。

メインヒロイン含めて美少女が三人いるのにいまのところ誰ともフラグが立ちません。お色気シーンはあるんですが、それすらもおもしろネタで上書きされていきます。

そんな状況だから縁にけなげに片思いをする冬馬が愛しく面白くなってきました。頑張れ。

恋愛ものというより青春部活コメディのおまけで恋愛をやっているような作品です。

キャラクター同士の掛け合いも、テンポがよくユーモアがあって面白かったです。

そうそう学生時代ってこういうしょーもないやりとりが楽しかったなと懐かしくなりました。

特に「バテずに最後までついていく」のネタのシーンは読んでいてにやついてしまいました。

ストーリー自体は単純なんですが、コミカルなやりとりが楽しいので十分楽しめました。

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『犬と魔法のファンタジー』田中ロミオ

犬と魔法のファンタジー (ガガガ文庫)

冒険時代は遠い昔。宮廷大学に通うチタンは、就職活動に行き詰っていました。送られてくるお祈り手紙、内定を勝ち取っていく周囲。そんな中、冒険組合で飼っていた犬が原因不明の病気になり、気の合わない組合仲間のチアリーと原因を探すことに……。

ファンタジー世界に就活を足すという発想の勝利ですね。世の中にはいろんなファンタジーがあふれているけれど、就活ファンタジーというのはさすがに初めてなんじゃないですかね。一見わけのわからないネタですが、読んでみると意外と説得力があるのが恐ろしいです。

自分を殺してでもレールを行くか、自分が自分らしくあるために道なき道を行くか……。そういう悩みは人生の転換期には必ず向き合わなければいけないんですが、「就活」というテーマはそれを描くにふさわしいものですね。

ラストシーンで語ったチタンのせりふが一番良かったです。道なき道を行っていてもひとりではない。過酷な生き方を強いられるとしても、そう思える瞬間があれば少し救われます。

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コバルト文庫

『クララ白書』氷室冴子

クララ白書I (集英社コバルト文庫)

中高一貫の女子高に通うしーのは、中等部の途中から寄宿舎であるクララ舎に入ることとなる。しかし、クララ舎に途中入寮するイニシエーションとしてドーナツを揚げさせられて……。女の園で暮らす女の子たちのトラブル、日常、友情を描いた連作短編。

女性同士の面倒な感情が描かれつつも、話はあっさりしているところが読みやすかったです。

特に主人公三人組が、ときにけんかしたり反目したりしながらも仲良しなのに癒されました。けんかのシーンはそりゃあけんかするだろうな……という展開なのですが、誰かが騙されているのではないかとなったら駆けつけるなど、愛の強さにぐっと来ます。

関係性自体は地に足のついたものが多く、共感したり笑ったりできました。

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『天翔けるバカ』須賀しのぶ

天翔けるバカ flying fools (集英社コバルト文庫)

幼なじみにふられて売り言葉に買い言葉に、空軍の傭兵部隊にに入隊したリック。そこは、変わり者の巣窟だった。曲芸飛行で培った飛行技術も、ここでは通用しない。それでもリックは勝ち気で図々しい性格を生かし、部隊でエースパイロットになろうと奮闘する。

男のプライドとノスタルジーと愚かさの話でした。それでも嫌な気持ちにならないのは、そういうあり方を「バカ」として定義されているからでしょう。

作中の空軍には一種の騎士道精神がはびこっていて、負けた相手に花を投げるし、一対一で決闘をしさえします。

のんびりしている……と思いきや、歩兵部隊は完全に使い捨てにされていることが地の分で語られます。彼らのやっていることは時代錯誤の行為なのです。

コミカルさと、戦争のシビアさが共存する奇妙なコメディです。

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GA文庫

『最強同士でお見合いした結果』菱川さかく

最強同士がお見合いした結果 (GA文庫)

対立するふたつの国は、新たな脅威のために同盟関係を結び、その印として「最強」の人間同士をお見合いさせることになる……。が、その「最強」たちはとんでもない恋愛初心者だった。それぞれの国の「最強」アグニスとレファは、相手を篭絡し自分の国を有利にするため、下手な恋愛バトルを繰り広げる。

恋愛ものってどちらかがどちらかを助ける、みたいな話になりがちで、力関係が一方に偏るパターンも多いんですが、この話は「能力が対等であることに意味がある」ので面白かったです。

同じくらいの強さで、同じくらいの恋愛初心者だからこそこんなにめちゃくちゃで愉快な話になります。

相手を「(恋愛的な意味で)いいな」と思う気持ちと、「最強なので相手に負けたくない気持ち」がないまぜになってトンチキな展開になっているところに笑ってしまいます。

ラスト近くで背中合わせのふたりを見られたところもよかったです。やっぱり「最強同士」ならこういうシーンがなくっちゃ始まりませんよね!

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ストレートエッジ

『性春デイズ~男子高校生の性の心理戦~』太公望

性春デイズ ~男子高校生の性の心理戦~ (ストレートエッジ)

全寮制の男子高校に通う仲良し五人組、硬い絆で結ばれた彼らがするのは、容赦のない下ネタトークだった。性に関するあれこれで腹を探り合い、ときには騙し、ときには協力する。ただただ下ネタトークをおもしろおかしく描くだけの会話劇ライトノベル。

「男性作家の書く仲良しの男ども」が好きな人は読んだ方がいい……んですけど、展開されているのは露骨な下ネタトークです。

下ネタをテーマに腹の内を探り合い、ときには協力し、ときにはののしり合うその姿。

しかも特に何の実にもならない! ここまで人生に役に立たなそうな小説も珍しいです。

しかし、その男子高校生のばかばかしい話読んでると元気出てくるんですよね。悩んでいることがどうでもよくなってきます。

人間このくらい気楽な話をして生きていきたいものだな……と思えてきます。楽しいコメディでした。

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以上です。興味があったら読んでみてください。

 

 

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『王様のプロポーズ4 黄金の巫女』橘公司 富士見ファンタジア文庫 感想

王様のプロポーズ4 黄金の神子 (富士見ファンタジア文庫)

 

あらすじ・概要

<庭園>の教師、アンヴィエットの前に娘を名乗る謎の女の子、ニーリヤが現れる。アンヴィエットは隠し子の疑惑を否定するが、何だかんだニーリヤの面倒を見てしまうようだ。やがてニーリヤは、アンヴィエットの妻の死に関わっていると判明する。

 

ラブロマンス好きにおいしい回

今まで脇役だったイケメンが100年前に妻を亡くした男やもめだったことが判明し、そのイケメンが娘を名乗る謎の女児に振り回され、回想では亡くなった妻のラブラブシーンが描かれます。男女カプ好きの見た都合のいい夢夢かと思いましたよ。

 

一見チャラくて悪そうですが、作中で一番の常識人というアンヴィエットのキャラクターがよかったです。正体不明の女児を何だかんだ世話してしまうところに彼の善性を感じます。ニーリヤに振り回されるアンヴィエットはかわいかったです。

中盤、亡き妻のために戦うところも、彼がただの道化キャラではないことを示していて面白かったです。そんな彼を無色と彩禍が助けるのも、爽快感がありました。

アンヴィエットが描かれた挿し絵もめっちゃ良いです。かっこいい。この巻がアンヴィエットのためのものだと教えてくれます。

 

主人公と関係ないカップルの話なので彩禍と無色のイチャイチャは控えめですが、それでもところどころ様子のおかしい無色は面白かったです。

謎のカードゲームが発生したり、突然結婚の話をしたり、愛の重さがおかしい主人公でした。受け止める彩禍ももはやすごいです。

 

 

 

 

 

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