ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

社会

どこを対象とした本なのかいまいちわからない―萱野稔人『名著ではじめる哲学入門』

あらすじ・概要 私たちを取り巻く世界とは、いったい何なのだろうか。「哲学」「政治」「民主主義」など、「○○とは何か」という問いの答えを哲学の名著の中から探す。多様化・複雑化する世界の中で、哲学がどう人間と社会を見て来たかを語っていく。

今を考えてだいぶ憂鬱になる本―橘木俊詔『格差社会 何が問題なのか』

あらすじ・概要 日本の長い不景気の中、格差は広がり続けている。なぜ、格差は広がってしまったのか。格差を否定する政治家たちに反論しつつ、格差が生まれてしまったわけを解説する。格差を減らすには、どうすればいいのか……。

障害者の意思を尊重しつつ加害者にしない方法って何だろう―山本譲司『累犯障害者』

あらすじ・概要 刑務所で服役した元議員の著者は、そこで犯罪を犯した障害者たちの姿を見て衝撃を受ける。著者は累犯障害者について調べることを決意し、さまざまな累犯障害者について聞き取りを行う。殺人を犯した知的障害者、売春で生計を立てていた親子二…

著者のスタンスがよくわからなかった―徳田雄洋『デジタル社会はなぜ生きにくいか』

あらすじ・概要 急速に発達していく情報化社会。しかしながら、それは本当に生きやすい社会なのだろうか。インターネット社会で起こるトラブルや悩みを紹介しつつ、テクノロジーや情報との向き合い方を考える本。

子どもをつくることを「選べる」世界で女性は何を思うのか―柏木惠子『子どもという価値 少子化時代の女性の心理』

今日の更新は、柏木惠子『子どもという価値 少子化時代の女性の心理』です。 あらすじ・概要 「子どもの価値」の大きい小さいを口にすることはタブーとされている。しかしながら、次代の変遷によってその価値が変わりつつあるのは確かである。世代間のデータ…

雇用と社会保障の両輪で人々の生活を支える―宮本太郎『生活保障 排除しない社会へ』

今日の更新は、宮本太郎『生活保障 排除しない社会へ』です。 あらすじ・概要 男性を主な労働力とし、長期雇用や女性の家事労働によって家庭を支えるのが日本の福祉モデルだった。しかしながら、雇用の崩壊によって過去の福祉システムは使えなくなっている。…

めちゃくちゃだったゼロ年代の消費者金融事情―宇都宮健児『消費者金融―実態と救済』

今日の更新は、宇都宮健児『消費者金融―実態と救済』です。 あらすじ・概要 長引く不況とともにはこびってきた「サラ金」、今で言う「消費者金融」。いくつものCMが流れるそれの、何が問題なのか。消費者金融によるさまざまな手口を紹介し、多重債務の作り方…

デマや不穏投書から見る銃後の人々―川島高峰『流言・投書の太平洋戦争』

今日の更新は、川島高峰『流言・投書の太平洋戦争』です。 あらすじ・概要 民衆を苦しめた太平洋戦争。戦地に行った兵隊を支える「銃後」の中で人々は何を考え、どう行動したのか。当時の流言・投書を『特高月報』や人々の日記から抜粋し、開戦から終戦まで…

もしも愛した人が被差別部落の人だったら―齋藤直子『結婚差別の社会学』

今日の更新は齋藤直子『結婚差別の社会学』です。 あまり読まないジャンルの本だけれど、面白いと聞いて読んでみたくなりました。 あらすじ・書籍概要 「被差別部落出身だから」ということで結婚に反対される人々がいる。著者は実際に結婚差別を受けた部落出…

共働き世帯が広げてしまった社会の格差―筒井淳也『結婚と家族のこれから 共働き社会の限界』

今日の更新は、筒井淳也『結婚と家族のこれから』です。 家族制度について調べてみたくて手に取った本です。 あらすじ・書籍概要 「夫は外で働き、妻は家で家事」という家族モデルは、最近作られたものにすぎなかった。その形態に至るまでの家族制度の変遷を…

「政教分離」は弾圧か自由か―伊達聖伸『ライシテから読む現代フランス――政治と宗教のいま』感想

今日の更新は、『ライシテから読む現代フランス』です。 一度読んでみたかった新書です。 書籍概要 国家の宗教的中立性を示す、フランスのライシテ。信仰の自由を保証する一方で、「ヴェール事件」などのムスリムの髪を隠すかっこうを否定することもある。ラ…

著者の福祉への理解のなさを露呈している 原田泰『ベーシック・インカム 国家は貧困問題を解決できるか』感想

本を読んでこんなに怒ったのは久しぶりだ。 最初に行っておくと、私はベーシックインカムについて反対しているわけではないです(賛成もまだしてませんが)。だが、この本はひどすぎますね。 書籍概要 国民全員に一定のお金を支給する「ベーシックインカム(…

わからないけれどわかろうとしたい異文化 青木保『異文化理解』感想

久しぶりに新書が買いたくなって楽天koboで買いました。岩波新書は信頼感があっていいです。 書籍概要 世界中がグローバル化しつづける現代。それと同時に、文化の違いが争いを招いている。文化人類学者の著者が、他の文化を理解するためにどうすればいいの…

技術の革新によってさまざまな展開をする教育ビジネス 川上清市『教育とビジネスの動向とカラクリがよ~くわかる本[第2版]』感想

書籍概要 学びを与える教育産業。予備校業界の再編、教育分野におけるITの活用、社会人やシニア向けの教育など、その動向は変化しつつある。教育業界の現状と今後の展望を解説する就活者向けの業界研究本。

少子化、人口減という課題をつきつけられている食品業界 中村恵二『食品業界の動向とカラクリがよ~くわかる本[第4版]』感想

職業を変えるかもしれないので、まず世の中の仕事について調べようというキャンペーン。続きます。 書籍概要 日本になくてはならない食品業界。少子高齢化が進み、中食文化が広がる中で、企業はどうやって利益を得ているのか。食品業界の現状と、今後の展開…

民主主義のありがたみがよくわかる 重村智計『金正日の正体』感想

長い間積んでてどうして入手したのかも忘れてた本です。 書籍概要 北朝鮮の国家主席金正日。彼はどのような人間で、何を考えているのか。そして、最近「金正日」らしくない命令が増えているのはなぜなのか。金正日という存在を通して、当時の北朝鮮を語る本。