ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

髪ぼさぼさのおっさんが自らを監禁した男に復讐する『オールドボーイ』感想

これも『銀の森へ』で紹介されていたものです。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 何も知らされずに15年間監禁された男。解放された彼は、自分を閉じ込めた人間に復讐を誓う。犯人の行方を探す男をあざ笑うかのように、犯人の挑発が続く。果たして彼が…

怪異が移動する学校で行われたあることとは 小野不由美『ゴーストハント4 死霊遊戯』感想

表紙がネタバレになっています。読み終わって初めて気づくレベルのネタバレなんですが。黒い部分は印刷がちょっと盛り上がってます。 あらすじ 心霊現象が多発する高校の調査に来たSPRのメンバー。生徒たちは学校の無意味な締め付けに不満を持っていた。除霊…

毛玉たちの恋、ぎすぎすする天狗たちの戦い 森見登美彦『有頂天家族 二代目の帰朝』感想

このAmazon画像には反映されてないけれど、二重カバーださすぎ問題はこの巻でも続いています。 本当にもうちょっとかっこいいカバーにしてほしいです。 あらすじ 京都の町に赤玉先生のかつての弟子「二代目」が帰ってきた。二代目は、赤玉先生と弁天を憎悪し…

悪友二人の楽しくて寂しい友情 瑞山いつき『スカーレット・クロス 月闇の救世主』感想

吸血鬼の小説を読んでいくシリーズ。大分たくさん読んできましたね。 なぜかAmazonに小さい表紙画像しかありませんでした。画質が悪い……。 あらすじ ギブはニネベの街で親友レオナルド(レオン)に再会する。だが出会ってすぐに喧嘩別れしてしまい、ツキシロ…

豊富なイラストと文章で電話応対のしかたを学ぶ 北原千園実『電話応対のルールとマナー』感想

職場で電話応対をするかもしれないので、ちょっと調べてみようかなと思い手に取りました。 書籍概要 社会人なら一度はやらなくてはならない電話応対。新社会人や初めて電話応対する人のために、電話応対の基本的知識やよく使うフレーズ、気持ちのいい話し方…

思慮深い死刑執行人はどうして国王の首を刎ねたのか 安達正勝『死刑執行人サンソン 国王ルイ十六世の首を刎ねた男』感想

FGOにおけるおすすめ資料として紹介されていて、FGOやってないけど気になった本です。 書籍概要 代々死刑執行人を務めてきたサンソン家。その四代目のシャルルーアンリ・サンソンは国王ルイ十六世の首を刎ねたことで歴史に名を残した。博学で思慮深い彼が、国…

かばんのなかみは

今週のお題「カバンの中身」 今週のお題が面白そうだったので参加。 発達障害の生活改善グッズもあるよ!

性格の悪い神父が半端者の吸血鬼を拾う 瑞山いつき『スカーレット・クロス 混ざりものの月』感想

吸血鬼小説のおすすめで上がっていた小説のひとつです。吸血鬼ライトノベルは多すぎて把握し切れてないですね。 あらすじ 混ざりもののヴァンパイア、ツキシロは、行き倒れているところを神父のギブに拾われ、「聖なる下僕(しもべ)」となる。ツキシロとギ…

よれにくく便利だが透けに注意 「キングジム OLETTA(オレッタ)」レビュー

鞄の中にA5ファイルを入れているんですが、すぐぼろぼろになるので、材質が丈夫そうなこれに変えてみました。

姫君を乗せて大空をかける飛行機の美しさ 阿部藍樹『白翼のポラリス』感想

Twitterでおすすめされていたので買ってみました。女の子より飛行機のほうがでかい表紙、かっこいいですね。 あらすじ ほとんどの陸地が海に沈んだ世界。船国から船国へ荷物を運ぶスワローの少年、シエルは少女から「自分を運んでほしい」と依頼を受ける。彼…

心霊事件の黒幕にひえっとなる 『ゴーストハント3 乙女ノ祈リ』感想

あらすじ SPRに持ち込まれる心霊相談。それはすべて同じ高校から持ち込まれたものだった。増え続ける怪談に頭を悩ませるSPRの面々。その解決には、麻衣の秘められた力がヒントになっていく。

クモに噛まれた高校生が良心に従うことを学ぶ 『スパイダーマン ホームカミング』感想

ふと映画館で映画が見たくなり、知り合いがおすすめしていたこれをチョイスしました。 アイアンマンが出てきますが、アイアンマンのことは知らなくても大丈夫です。金持ちのヒーローおじさんくらいに思っておけばOK。 あらすじ クモに噛まれてクモの能力を得…

人がえげつない理由で死んでいくのに下世話な興味を持つ 京極夏彦『姑獲鳥の夏 下』感想

ちょっと時間が開いてしまったけど下巻を読んでいました。前巻の感想はこちら。 honkuimusi.hatenablog.com あらすじ 20か月以上孕んでいる女性、消えた赤ん坊、失踪した男……。謎が謎が呼ぶ館で、京極堂は謎解きをする。あらゆる因縁が明かされ、衝撃の事…

刀剣男士に子育てさせる残酷さ 『ミュージカル「刀剣乱舞」~三百年の子守歌~』感想

見たいみたいと思いつつタイミングを逃していました。 「三百年」と書いて「みほとせ」と読みます。 www.dmm.com あらすじ 歴史修正主義者の攻撃により、幼い竹千代(のちの徳川家康)を残して壊滅した松平家。刀剣男士たちは歴史上の人物になり替わり、協力…

ADHDの生活改善の初歩 桜井公子『どうして私、片づけられないの? 毎日が気持ちいい!ADHDハッピーマニュアル』感想

Amazonで気になったので入手した本です。 書籍概要 日常で大きな困難が付きまとうADHD(注意欠陥多動性障害)の人々。本書では、さまざまなADHDの悩みを紹介しつつ、それにどのような改善策が取れるか、猫のイラストとともに紹介している。

黒豚姫が自分の人生を取り戻す カミツキレイニー『黒豚姫の神隠し』感想

表紙がかっこいいので読んでみたかった本です。絵柄がすごく好きなんですよね~。 あらすじ 冷たいクラスメイト、波多野清子の笑顔を見てから、彼女を自主製作映画に出演させたいと思うようになった米輔(ヨナ)。脅して言うことを聞かせようとするが、彼女…

吸血鬼の愛と戦いと生活の物語 あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS』3~11巻感想まとめ

最終巻まで読んだので感想記事まとめ。 と言っても、1、2巻を読んだのがだいぶ前なので3巻からの感想です。 あらすじ 吸血鬼と人間がひそかに共存する「特区」にやってきた吸血鬼の兄弟。吸血鬼と人間の橋渡しをする機関、カンパニーで働くミミコは兄のジ…

この作品のキリストには幸せになってほしかった ニコス・カザンザキス『キリスト最後のこころみ』感想

複数の読書ブログで見かけたので内容が気になっていました。 いや~読んでよかったです。面白かった。 あらすじ マリヤの息子イエスは、周囲の不思議な予兆に悩まされていた。そして天の啓示を受け、仲間を集めて自分の考えを広めていく。彼は十字架にかけら…

寂しいけれど美しい結末にしんみりする 『シェルブールの雨傘』感想

フランス映画のおすすめ記事に載っていた映画です。 あらすじ 港町シェルブールで傘屋を経営している母親と暮らすジュヌヴィエーヴ。彼女にはギイという恋人がいた。ギイと結婚したいと母親に言うも、強く反対される。そんな中、ギイに軍の召集令状が届き……。

死の受容を優しく描くADV『彼女は最後にそう言った』感想

アドベンチャーゲーム『彼女は最後にそう言った』をクリアしました。 彼女は最後にそう言った SYUPRO-DX Inc. ゲーム 無料 play.google.com] ゲーム概要 祭りの日、東京から里帰りした少年、シンタローに一通の手紙が届く。「お祭りの夜、展望台で待ってます…

戦いの行方と美しい恋の終わり あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS11 賢者転生』感想

ついに最終巻。どんなシリーズでも感慨深いですね。 あらすじ 特区に吸血鬼たちが集結し、最終決戦の火ぶたが落とされる。特区を脱出しようとする九龍の血脈に、ミミコらが打った手とは……。そして、ミミコとジローの関係にも決着の時が来る。

余ったポイントやギフトカードでサクッと買える 1巻完結の漫画おすすめ16選

今回のまとめは「一巻完結の漫画」です。 ここ最近シリーズものを追いかける体力がなくて、面白そうな一巻完結の漫画を中心に読んでしまうんですよね。 そして微妙に余ったポイントやギフトカードを消費するのにちょうどいいのでよく買います。 それではいっ…

濃いキャラクターが毎日お祭り騒ぎ 森見登美彦『有頂天家族』感想

この、めちゃくちゃダサい二重カバーはなんとかならんかったのか。アニメ絵でもいいから、もっと持ってて楽しいデザインにしてほしいです。 あらすじ 父親が人間たちに狸鍋にされてしまった狸の四兄弟。しかしその息子たちは阿呆ばかりだった。主人公である…

沖縄を舞台に幻想と醜さの間を行く短編集 恒川光太郎『月夜の島渡り』感想

書籍概要 逃げ込んだ孤島にいた軟体動物との暮らし、何度も生まれ変わる女性が見た時代の流れなど、沖縄を舞台にした幻想小説短編集。

16世紀ネーデルラント絵画とその歴史的背景 『ブリューゲル「バベルの塔」展』行ってきました【感想】

バベルの塔展に行ってきました。 ベルギー奇想の系譜展に続いて、ネーデルラントづいている。 babel2017.jp 展覧会概要 ブリューゲルの最高傑作「バベルの塔」を中心に、ヒエロニムス・ボスの油彩、同時代の版画、彫刻などを集める。16世紀ネーデルラント…

お姉さん巫女綾子がポンコツかわいい 小野不由美『ゴーストハント2 人形の檻』感想

今回の表紙箔押しですね。変わった箔の押し方です。 あらすじ SPR(渋谷サイキックリサーチ)の渋谷一也(ナル)と麻衣は、依頼を受けて怪現象の起こる洋館へ向かう。そこで別のルートで依頼されていた綾子と法生と出会い、協力して調査を進めていく。

それぞれの決戦前夜に思うことは あざの耕平『BLACK BLOOD BROTHERS10 銀刀出陣』感想

あらすじ カンパニーが特区を奪還する「Xデー」が近づく中、ミミコを中心とした人々は対応に追われる。一方、香港では血の気の多い吸血鬼が集まりつつあった。それぞれの最終決戦の前夜が過ぎていく……。

怖くておかしくて美しい短編小説をアンソロジーに 西崎憲編訳『怪奇小説日和 黄金時代傑作選』感想

書籍概要 おどろおどろしく、怖くて、美しい。そんな怪奇小説の18編を、古典的なものから新感覚なものまで、一冊にまとめ翻訳したアンソロジー。