ブックワームのひとりごと

読書中心に好きなものの話をするブログです。内容の転載はお断りします。

メンタルヘルス

毒家族と暮らしていた女の子が、家を出て自分の世界を見つけるまで―原わた『ゆがみちゃん 毒家族からの脱出コミックエッセイ』

あらすじ・概要 毒家族の家庭に育った著者は自分自身を「ゆがみちゃん」というキャラクターに投影し、漫画として過去をつづる。父、母、祖母にゆがみは暴言を吐かれ続けていた。さらに男尊女卑の家庭で男子である兄は不合理にえこひいきされている。家族を嫌…

統合失調症の女性と年上の男性の純愛ラブストーリーエッセイ―卯月妙子『人間仮免中』

あらすじ・概要 元AV女優で、統合失調症を患う著者は、20歳以上年上の男性、ボビーと恋に落ちる。一緒に暮らすふたりは、けんかをしつつも愛し合っていた。しかしヨガを始めたことをきっかけに勝手に減薬した著者は、統合失調症を悪化させ、歩道橋から飛び降…

人間関係に憶病になるのは今を生きていないから―イルセ・サン『心がつながるのが怖い 愛と自己防衛』

あらすじ・概要 なぜ自分のことを幸せにしてくれない人を好きになってしまうのか。他人と距離を置いてしまうのか。それは、過去の親子関係から生まれた「自己防衛」の行動によるものだった。過去の心の傷による心の壁を自覚し、それを解消していく方法を考え…

精神疾患の人間同士がダンスで成長していく―『世界にひとつのプレイブック』

あらすじ・概要 双極性障害(躁うつ病)でトラブルを起こし、妻のニッキから接近禁止命令を出されたパット。情緒不安定になることを繰り返しつつも、妻とよりを戻すことを夢見ている。そんな中、パッとはティファニーと出会う。彼女はセックス依存症だった。…

「魔女」を治療しようとした16世紀の医者の謎解き―槇えびし『魔女をまもる。』

あらすじ・概要 16世紀、魔女狩りの嵐が吹き荒れるドイツ。そこでひとりの医者が魔女を治療しようとしていた。ヨーハン・ヴァイヤーは、魔女と呼ばれる女性たちの奇行を「病気」なのではないかと思い、魔女と噂される老女や人狼に襲われた事件を調査する。精…

相手を変えても自分の手柄ではないということ―平木典子『自分の気持ちをきちんと<伝える>技術 人間関係がラクになる自己カウンセリングのすすめ』

あらすじ・概要 言いたいことが言えない、または高圧的に話してしまう。コミュニケーションに悩みを抱える人のために、図を提示しながら「アサーション」の考え方を教える。「相手も自分もOK」なコミュニケーションを取るにはどうすればいいのだろうか。

障害者の意思を尊重しつつ加害者にしない方法って何だろう―山本譲司『累犯障害者』

あらすじ・概要 刑務所で服役した元議員の著者は、そこで犯罪を犯した障害者たちの姿を見て衝撃を受ける。著者は累犯障害者について調べることを決意し、さまざまな累犯障害者について聞き取りを行う。殺人を犯した知的障害者、売春で生計を立てていた親子二…

双極性障害の人間を看護する大変さ―ブリ猫。『家族もうつを甘くみてました #拡散希望#双極性障害#受け入れる#人生』

あらすじ・概要 定年退職間近になり、平和に暮らしていた男性。そんなある日、結婚した娘がオーバードーズして救急車に運ばれた。夫の浮気のストレスにより、彼女は親が知らないうちに双極性障害を発症していた。気分が上下する娘に戸惑いながらも、何とか彼…

萩野淳也『心のざわざわ・イライラを消すがんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』

今日の更新は、萩野淳也『心のざわざわ・イライラを消すがんばりすぎない休み方 すき間時間で始めるマインドフルネス』です。 あらすじ・概要 何かとストレスフルな現代社会。マインドフルネスの考え方を元に、上手に休息を取る方法を紹介する。普段の動作に…

「病気」として見たゲーム依存―樋口進監修『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』

今日の更新は、樋口進監修『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』です。 あらすじ・概要 スマートフォンの普及とともに、ゲームやアプリに依存してしまう人々が増えている。長時間のプレイにより寝食を忘れたり、分不相応な課金をしてしまったり……。スマ…

敏感な人間同士共感したいならいいかも―高橋敦『「敏感」にもほどがある』

今日の更新は、高橋敦『「敏感」にもほどがある』です。 あらすじ・概要 敏感体質であるHSP。その当事者である著者が、敏感すぎる人間の日常について漫画と文章で語る。着ているものの材質に敏感、周囲が気になりすぎる、人の気分の上下に影響されてしまう………

親が自殺した子どもたちがその後を自ら語る―自死遺児編集委員会・あしなが育英会編『自殺って言えなかった。』

今日の更新は、自死遺児編集委員会・あしなが育英会編『自殺って言えなかった。』です。 このところ感想の書き方が変わっていたんですけれど、パソコンを開く時間が取れずスマホで書いていたからです。しばらく見やすさと書きやすさが両立できるテンプレを模…

双極性障害の作家、世の中のもやもやを言葉にする―絲山秋子『絲的ココロエ―「気の持ちよう」では治せない』

今日の更新は、絲山秋子『絲的ココロエ―「気の持ちよう」では治せない』です。 あらすじ・概要 双極性障害(躁うつ病)Ⅰ型と長く付き合ってきた著者。現在は感情の起伏をある程度コントロールできている。著者なりに起伏を小さくする工夫や、病気で感じた世…

敏感体質のための恋愛指南書―エレイン・N・アーロン『敏感すぎてすぐ「恋」に動揺してしまうあなたへ』

今日の更新は、エレイン・N・アーロン『敏感すぎてすぐ「恋」に動揺してしまうあなたへ』です。 あらすじ・書籍概要 普通の人より敏感な人、HSP(highly sensitive person)。敏感ゆえに他者を遠ざけてしまったり、恋愛関係で我慢を続けてしまったりする。そ…

無罪になった精神障害者はどこへ行くのか―岩波明『精神障害者をどう裁くか』

今日の更新は、岩波明『精神障害者をどう裁くか』です。 あらすじ・書籍概要 刑法39条により定められている「心神喪失者の行為は、罰しない」という一文。それによって精神障害者は罪に問われないことがある。だが、罪を問われなくなってからはどうなるのか…

やる気を出すためにはまず行動!―上大岡トメ・池谷裕二『のうだま1 やる気の秘密』

今日の更新は、『のうだま1 やる気の秘密』です。 あらすじ・書籍概要 いつも飽きっぽく、やりたいことをあきらめてしまう著者。しかし、飽きてしまうのは脳のせいだった。脳研究者池谷裕二とタッグを組み、脳のしくみを使って「飽きてやめる」を回避する方…

「幻覚がある」という孤独と怒り―木村きこり『統合失調症日記』

今日の更新は、コミックエッセイの木村きこり『統合失調症日記』です。 あらすじ・書籍概要 高校生のときに統合失調症になった著者。幻聴や幻視、妄想など、病気の症状に悩まされ、暴れたり独り言を言ったりを繰り返していた。今は症状を薬で抑えつつ、美術…

敏感さを知り、敏感さとともに生きる―長沼睦雄『敏感すぎる自分を好きになれる本』

今日の更新は、長沼睦雄『敏感すぎる自分を好きになれる本』です。 書籍概要 他人の気分に左右されやすい、人ごみにいると疲れやすい。そんな、敏感な人は実はHSPかもしれない。どうしたら自分の敏感さと付き合っていけるか、具体的なアイデアを紹介する。

パニック障害を抱えながらの子育て―青柳ちか『パニックママでもいいじゃない』

今日の更新は、青柳ちか『パニックママでもいいじゃない』です。 あらすじ 著者は第一子妊娠中に電車や外出先でパニックを起こすようになる。出産後もそれは続き、病院に行ったところ「パニック障害」だと診断された。子育てしながら薬を飲み、治療を試みる…

「普通」にはなれないが、立派な変人になろう―国実マヤコ『明日も、アスペルガーで生きていく』感想

今日の更新は、『明日も、アスペルガーで生きていく』です。 評判が良かったので手に取ってみた本です。 書籍概要 社会にうまく適応できない、ちょっと変わった人たち。彼らは「アスペルガー症候群」かもしれない。著者がアスペルガーの人々に取材を行い、そ…

医者が監修してるのにスピリチュアルネタはちょっと―苑田純子『敏感すぎて困っている自分の対処法』感想

今日の更新は、苑田順子『敏感すぎて困っている自分の対処法』です。 HSPについて調べるシリーズ。 書籍概要 人の感情や五感に敏感なHSP(敏感体質)。彼ら彼女らが周囲に流されず、自分の心を守るためにはどうすればいいのか。漫画と文章で解説する、「敏感…

マイナスのカードを集めない生活をしよう―高田明和『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本』感想

今日の更新は、高田明和『「敏感すぎて苦しい」がたちまち解決する本」です。 HSPとは完全には言い切れないんですけど、どうやらその気があるっぽいので調べてみることにしました。 書籍概要 言葉や感情、音、化学物質などに敏感なHSP(敏感体質)の人々。彼…

暗いエッセイだが周りの暖かさに救われる―先崎学『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』感想

今日の更新は、先崎学『うつ病九段 プロ棋士が将棋を失くした一年間』です。 将棋好きの親からの借り物。 あらすじ 多忙とストレスから、うつ病を発症した先崎学。彼は入院し、療養生活に入った。退院してもなかなか動くことができず、病状は一進一退を繰り…

話半分に聞いておくべき本―島津良智『不安をなくす技術』感想

今日の更新は島津良智『不安をなくす技術』です。 書籍概要 不安にとらわれ、身動きが取れなくなってしまったときはどうすればいいのか。不安を心配に変えることこそが突破口になる。不安とうまく付き合い、ビジネスに生かしていこうとする一冊。

アドバイスが具体的でわかりやすい―高山恵子『イライラしない、怒らない ADHDの人のためのアンガーマネジメント』感想

今日の更新は高山恵子『イライラしない、怒らない、ADHDの人のためのアンガーマネジメント』です。 知り合いのおすすめから読んだ本。 書籍概要 いらいらしたり、怒鳴ったりして、人間関係を悪化させてしまう。そんなときどうすればいいか。ADHDの人の特性を…

めちゃくちゃ励ましてくれる、元気になれるアドバイス本―ルディ・シモン『アスパーガール アスペルガーの女性に力を』感想

今日の更新はルディ・シモンの『アスパーガール アスペルガーの女性に力を』です。 アスペルガー関連でおすすめの本として紹介されていた本です。 書籍概要 人とは少し違う、アスペルガー症候群の女性たち。劣等感や貧困を抱えている彼女らだが、よりよい人…

「シナリオ」を作りすぎない生活を目指そう―高山恵子・平田信也『実践! ストレスマネジメントの心理学』感想

今日の更新は『実践! ストレスマネジメントの心理学』です。 ストレスマネジメントの本を読むシリーズ。 書籍概要 日常生活で避けられない「ストレス」。それとどう付き合っていけばいいのか。ストレスをコントロールし、それに縛られない生き方を目指す。…

我慢することで不幸を引き寄せてしまう―石原加受子『つらかった過去を手放す本』感想

今日の更新は、石原加受子『つらかった過去を手放す本』です。 ストレスマネジメントとはちょっと方向性が違いますが、内容が気になったので読んでみました。 書籍概要 「ああしてほしかった」「なぜあんなひどいことを言ったのか」と過去にされたことを忘れ…

怒りをコントロールする方法 水島広子『「怒り」がスーッと消える本 対人関係療法の精神科医が教える』感想

書籍概要 「ムカムカを手放したい」「ついキレてしまう」「つまらないことでイライラしたくない」「怒りっぽい自分をなんとかしたい」あなたへ。「怒り」はなぜ起きるのか。どうすれば、イライラを手放せるのか。感情に振り回されない人になるには、どうすれ…

「もう一人の私」をわかり手にすることによってストレスを軽減する方法

(うっかり書きかけで投稿していました。すみません) 多くの発達障害者がそうであるように、私もちょっとしたことでくよくよしたり胃が痛くなったりします。 ストレス耐性を上げるうえで、いろいろ試しましたが、特にお手軽で効果のあった方法がありました…